隠れ家が食べログを提訴「表現の自由」で反論できる?

隠れ家的経営スタイルの飲食店がお店の情報を勝手に掲載されたとして、食べログを相手取り掲載削除と損害賠償330万円を求め訴えを起こしました。

これに対して食べログ側は争う姿勢を示しており、以前のやりとりでは「表現の自由」を理由に削除依頼に応じなかった経緯があったそうです。

今回のケースで「表現の自由」は認められそうでしょうか?弁護士の私が検討してみます。

飲食店

私もお店の予約をするときに食べログのようなサイトをよく利用しますが、利用者にとってはお店や料理の写真が多数掲載されており、また、実際にお店に行った人のコメントもあるため、とてもわかりやすいです。

行ったことのない店でもどのような店か把握でき、希望の店をすぐに検索できるので非常に便利なサイトであることは間違いないでしょう。

ただ、食べログにお店の情報を掲載する際には個々のお店の具体的な許可は取っていないようであります。そのため、今回のケースのように、お店としては食べログに掲載されたくない場合でも同意なく無条件に掲載されてしまうので、掲載されたくないお店としては非常に困ったことになります。

■表現の自由は無制限には認められない

確かに、食べログ側には表現の自由がありますので、表現行為自体は尊重されるべきです。ただ、表現の自由であっても無制限に認められるわけではなく、他者に害を与える、もしくは与える恐れのある表現行為は制限されるべきであります。

今回のケースでは、お店側に営業の自由があり、大勢の人に知られたくないという営業方針は十分に尊重されるべきであります。そのため、食べログの記事はお店の営業の自由を侵害しているものと考えられます。

もっとも食べログ側としては、「食べログとしてはあくまでも一個人からの情報を掲載する場を提供しているだけであり、食べログが積極的に情報を掲載しているわけではない、情報を記載しているのは一個人である」という主張もしているようです。

■食べログ側の説明に無理あり?

ただ、食べログの側の「こちらは一個人の情報を掲載する場を提供しているだけ」という主張はやや無理があると思われます。

そのような場を提供すること自体は問題ないと思いますが、食べログは一私人のブログとは異なり、極めて大多数の人間の目に触れるサイトであり、個人の情報掲載を前提としたサイトでありますので、情報の管理についても一定の責任はあると考えるべきではないでしょうか。

ということで私としては、情報削除までは難しいかもしれませんが、食べログ側に慰謝料の支払い等の一定の責任があるのではないかと考えております。

現時点では訴訟はまだ進んでいないようでありますが、裁判所がどのような判断を下すのか、非常に注目されるところです。

*修正(2014/03/03):最後から2段落目の記述を変えました。

山口 政貴 やまぐちのりたか

神楽坂中央法律事務所

東京都新宿区津久戸町4-1 ASKビル2-B号室

弁護士保険「Mikata」

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