山梨など大雪被害も「遅い救援」被害拡大で提訴可能?

数日前に降った大雪のせいで山梨県の各地域が孤立状態にあるといいます。テレビではあまり放映されませんでしたがtwitter上では画像も交えて現地の悲惨な状況が伝えられています。

積雪量は甲府市で100センチを観測したそうで、2月17日には政府が調査団を派遣するとのことです。しかしネット上では、凄惨な現実に対して政府やマスメディアの動きが鈍いという指摘も相次ぎました。

今回のような自然災害に見舞われた人々が、公的な救援が遅れたことをもって死傷者が出たりした場合に、行政を相手取って訴えを起こすことができるかどうか、検証してみたいと思います。

大雪提訴

このケースについては、公的な救援が遅れたことの理由によりけりです。甲府市における積雪量が100センチに達することを予測した対応が取ることが可能だったかどうか、ということです。

つまり、東日本大震災の時と同じですが、あの40mを超える大津波が予測可能であり、そのための措置があらかじめ取れていたか、震災のときに十分な対策を立てていて救援することが可能であったにもかかわらず、初動に遅れをとり被害を拡大させてしまったか、ということと同じように考えれば良いことになります。

結局、甲府市等で積雪による孤立化が予測し得たかどうか、予測し得たとしてその対策がどの程度取られていたのか、対策が立っていたにも関わらず、初動が遅れて被害が拡大したのか、これらの観点から、国や地方公共団体に注意義務違反が認められれば、国家賠償請求が可能ということになりましょう。

しかし、とにかく、現在孤立化して、食料物資等が入手できずに、生命の危機を迎えている方達を早急に救出する手段を考えることが先決でしょう。早期に救出されることを祈ってやみません。

小野智彦
小野 智彦 おのともひこ

大本総合法律事務所

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