本のPOPに「いま話題の都知事候補です」は違法か?

ネット上の相談サイトにとある質問が寄せられました。

都知事選のとある候補者を応援する方が、本屋さんにその人の書籍を「いま話題の都知事候補です!」というPOPをつけようと考えているそうですが、それが公職選挙法に違反しないかどうかという質問です。

2月9日まで熱いせめぎあいが予想される中、各候補者陣には法律に違反しない正規の方法で広報してほしいものです。本件を参考に、どのような行動が違反になってしまうのか、指針を分かりやすく解説したいと思います。

いま話題の都知事候補です

まず、公職選挙法によって何が禁止されどうして禁止されるのか、ということを考えることとしましょう。

■お金のある人もない人も公平に

公職選挙法は、まさに選挙のやり方について規制を設けるものです。選挙とは、民主主義の根幹をなすもので、まさに我々の代表者を選ぶ過程そのものです。

従って、この選挙のやり方は、不公平のない公正なものでなければなりません。特に、お金にものを言わせて選挙活動をすると、政策ではないところで選挙が行われることになりかねません。こういうことを禁止するのです。

その一環として、選挙活動のために使用する文書、図画の頒布についても、お金のある人もない人も公平に行えるように、一定の制約が課されているのです。公職選挙法142条1項3号に、都道府県知事の選挙について、候補者一人につき利用できる、通常はがき、ビラの数が規定されています。

■本屋さんのPOPは?

このことを考えますと、本屋さんにとある候補者を応援する方が「今話題の都知事候補です!」というPOPをつけるのは、この規定を潜ることになるでしょう。まさに、その候補を応援するべき文書だからです。これが認められてしまうと、他の候補者と比べ不公平となることは明らかです。

ただ、近頃、都道府県知事にはお茶の間で人気のタレント知事が多くなってきているのも事実です。こういう方はもともと有名なだけに、その存在自体が公職選挙法の旨とする公平かつ公正に違反するのではないか、無名候補は、既に立候補した段階で相当なハンディがあるのではないか、という議論ももちろんあります。

この辺は、ネットによる選挙活動が一部認められるなど、少しずつ選挙活動についての規制が緩やかになりつつあるところではあります。

ネットというお金のかからないメディアが普及したことにより、無名の方が自らの実力で有名になる手段が手に入り、今後の法改正の動きが注目されるところです。

■違反かどうかのチェックポイント

公職選挙法に触れるかどうかは、他の候補者に対して不公平、不公正なものと言えるかどうかが、一つの目安です。

現行法はまだまだ保守的ですので、若干時代錯誤的に不公平、不公正の有無を考えるのがポイントです。そして、法改正があったら豆にチェックをするしかありません。

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小野智彦
小野 智彦 おのともひこ

銀座ウィザード法律事務所

東京都中央区銀座1-15-13VORT銀座604

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