公用車を狙ってパンクさせ…犯人はどんな罪に?

今月6日、千葉県の庁舎に駐車する公用車ばかり15台がパンクさせられていたというニュースがありました。

ニュースによると、先の尖ったものでタイヤに穴を開けられていたということです。また4日には茨城県で50台以上の車のタイヤがパンクさせられたという被害もあったそうです。

もしこれが意図をもった人間の手でなされたとすれば、その人はどんな罪に問われるのでしょうか?また、相手が公用車であるという点は、与えられる罰に何か影響があるのでしょうか?

公用車パンク

まず、意図があろうとなかろうと、私用車であろうと公用車であろうと、タイヤをパンクさせた人は器物損壊の罪(刑法261条)に問われるでしょう。

タイヤが他人の財物であり、タイヤをパンクさせることはタイヤ本来の効用を失わしめる行為として他人の財物の損壊に当たるからです。

器物損壊に当たる場合、「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料に処」せられることになります。

50台以上の車のタイヤをパンクさせたということであれば、併合罪ということで法定刑の上限が1.5倍の「4年6月」になり、懲役刑に処せられる可能性も出てくるでしょう。

相手が公用車であった場合、タイヤをパンクさせた人が威力業務妨害(刑法234条)の罪に問われることもあると考えられます。

公用車が国や地方公共団体の業務活動に用いるための車であることは明らかです。そうだとすれば、公用車のタイヤを先の尖ったものでパンクさせることは、威力を用いて人の業務を妨害したことになるわけです。

過去に消防車をパンクさせようと釘をばらまいた者が威力業務妨害で逮捕された例もあるようです。

威力業務妨害に当たる場合、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処」せられることになります。罰金の上限が器物損壊よりも20万円多くなっています。

私用車であろうと公用車であろうと、人の車をパンクさせることが悪い事だというのは当たり前の事です。どのような理由でそんな事をしたのかわかりませんが、絶対に止めていただきたいものです。

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

法律事務所あすか

東京都千代田区霞が関3‐3‐1 尚友会館4階

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