数々の有名映画に出演し映画好きならずとも多くの人がその名を知る米俳優チャーリー・シーン。
48歳の彼が元妻へあてた一連のツイートがジョークにしては常軌を逸しているものとなっているようです。ファンを失望させかねない彼の言動自体に違法性はないのか、検証してみます。
twitter上で再婚を発表したチャーリー・シーンですが、実は結婚手続きはとっておらず、元妻のデニス・リチャーズに対する嫌がらせのジョークだったということです。
「あれはデニスに発作を起こさせたくてやったんだ」「嘘はもうたくさんだ」「心ない醜いやつ」などと憎悪むき出しのツイートを連発したそうです。
■法律的には「侮辱」罪にあたる!?
「嘘はもうたくさんだ」「心ない醜いやつ」とのチャーリーの発言は、元妻デニスの品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価を不当に低下せしめるものと言えるでしょう。デニスは有名女優でもあり、彼女を認識するtwitterのフォロワーはたくさんいることと思います。
ただ、具体的にどんな嘘があったのか、どういうことで心ない醜いやつなのかについて、具体的な事実の摘示がありませんので、法律的には名誉毀損ではなく、「侮辱」罪にあたります。
また、チャーリーの発言には、「発作を起こさせたくて」という目的がありました。これらのチャーリーのツイートにより、デニスが本当に発作を起こしたというのであれば、傷害罪にあたりますが、実際に発作を起こしたわけではないのであれば、このような無形的な暴力による傷害未遂というのは日本においては観念されていませんので、この点については無罪でしょう。
■報復を理由に正当化できるか?
では、チャーリーの発言が、侮辱罪にあたるとして、この発言に違法性がないといえるでしょうか?つまり、この発言は、娘2人を自分を会わせないようにしたデニスに対する報復ということであったようですが、そのことで正当化されるかが問題になります。
しかしながら、これは無理でしょう。公益目的であればまだしも、単なる私怨に基づく発言には、如何にチャーリーの中に正当化される事情であったとしても、法的には正当化されません。
以上より、チャーリーの発言は、刑法上侮辱罪となりますし、民法上もデニスの人格権を侵害したということで、不法行為を構成し、損害賠償請求の対象となります。
■感情まかせにするのは問題かも
特に男女の絡みでは愛憎が表裏一体となっていますのでもつれるとその感情が爆発してしまいます。不用意に自分の気持ちをtwitterなどに書き込むとチャーリーと同じようなことになりかねません。
深夜に書いたラブレターが過激になる分には余り罪はありませんが、その逆の場合にはその場で書き込みをするのは控え、頭を冷やしてから書き込むかどうかを冷静に考えた方がよろしいかと思います。