2013年は、バカッター元年と言っていいほど、twitterを利用したバカ騒ぎが次々と露呈した年でした。
そして、それらの行為は、法律上の民事、刑事を問わずその責任を問われることとなりました。
民事の場合は、故意だろうが不注意だろうが損害が発生すれば、その行為は不法行為としてその賠償責任を負わなければならず、またそれらの行為が刑法上の行為に該当すれば、前科者にならなければならない可能性も出てきます。
今回は、これまでに炎上したバカッターの行為について、それらが実際にどのような法的な扱いを受けるのかを見て行きましょう。
■1:元交際相手に「ころします」
元交際相手の女性を名指しして「ひとをばかにしやがった みくだしやがって ゆるさない お前の命 うばうからな」「確実にころします」と書き込み。
刑事上は、脅迫罪に該当します。場合によっては、名誉毀損罪、あるいは、侮辱罪にも該当します。実際に逮捕されたとのことです。初犯であれば、実刑になることはないと思いますが、釈放されるためには、それなりの示談金(慰謝料)を積まなければならないでしょう。
■2:バス会社に「肉の塊にしてやる」
「あす、午前9時36分品川行きのバスをジャックする。みんなみんな殺して肉の塊にしてやる」と書き込み。
これはバス会社に対する威力業務妨害罪に該当します。実際には逮捕はされず、書類送検に留まったそうですが、この書き込みによってバス会社がバスの運行を休止したり、警備のために人を余計に配置したり等のために、見込めた利益や余計にかかった経費については、民事上は損害賠償請求の対象になります。影響の大きい相手にこのような発言をすれば、それだけ損害も大きくなります。
■3:パトカーの上に乗って撮影
「中2病だからみんなでパトカー荒らしてきたぜー」と某署交番横に止めてあったミニパトカーの上に乗った写真を投稿。
ミニパトカーのガラスを割ったり、車体を凹ましたり、ということであれば、器物損壊罪に該当します。自ら犯罪を置かしたことの証拠を提供しているようなものです。民事上は、損壊部分についての修理代等につき、損害賠償責任が発生します。
■4:アイスケースに飛び込んで撮影
某スーパーマーケットで「これが流行のゆずあずきばーダイブ」とツイートし、アイスケースに飛び込む写真を投稿。
刑事上は威力業務妨害罪、そして人がダイブしたアイスケース、ならびに商品であるアイスは使い物にならなくなることからすれば器物損壊罪にも該当します。民事上は、使い物にならなくなったアイスケースやアイスの弁償、そして信用がなくなり売り上げが減少したことに対する損害の賠償等の責任が問われることになります。
■5:電車で全裸になって撮影
某駅のホームに停車していた普通電車の座席に全裸で座っている写真を仲間が投稿。
刑事上は、公然わいせつ罪に該当します。これも自ら犯罪を犯した証拠を提供しているようなもので浅はかとしか言いようがありません。その後実際に逮捕されました。実際には、罰金が科せられることになります。
5つのパターンは以上です。
ネット上の発言は、リアルなことであっても変なバイアスがかかり、ヴァーチャルなこととして投稿してしまうケースがよくあります。
実際にバスジャックするつもりは全くなくても、実際に人を殺すつもりは全くなくても、そのような投稿をしてそれを読んだり見たりした人たちがどのような恐怖を抱くかということを全く考えずに投稿をする方が多いように思います。
ネチケットという言葉がよくありますが、何かをネット上で投稿しようとする時は、「これを読んで誰かが不快や恐怖を抱かないだろうか?」「こんな投稿をしたら何か問題にならないだろうか?」ということを投稿する前にひと呼吸置いて考える姿勢を身につけなければなりませんね。不用意な一言があなたの身を滅ぼしかねません。