風俗店で勤務していた女性から、
「職場から損害賠償として3000万円を請求されている」
というご相談がございました。
事情を詳しく聞くと、お客さんから指名をもらいたいという一心でお店から禁止されていた本番行為(性行為)をしていたり、お客さんと店のサービス以外の時間で会ったり、同店の他のキャストの悪口をネットの掲示板に書いたりしていた点を指摘されて、請求されたとのことでした。
こちらにも落ち度はある訳ですが、お店側のやり方は、自宅に張り紙をしたり、日本にいられなくなるよといった脅しともとれる揺さぶりをかけてきたりするもので、極度に怖がっていたことから、弊所で速やかに介入。
お店に連絡をして、「3000万円の請求について根拠を示して欲しい、こちらとしては不当に高額であるとの認識をもっている、根拠のある損害については賠償をすることも検討する」と伝えました。
お店の責任者は、口頭でも払うと言っていたご依頼者様が弁護士を突然入れてきたことにかなり激高しており、ご依頼者様に直接の連絡を何度も取ろうとしたようですが、弊所が介入した時点で全ての連絡手段をブロックし、実家に戻ってもらっていたため連絡が取れずという状況で、やむを得ず弊所に再度連絡してまいりました。
当方からの言い分は、根拠がなければ払えないというものであり一貫してその旨を伝え続けたところ、こちらはこちらで勝手に回収する旨の捨て台詞を吐いて、その後は連絡をしてこなくなりました。
債務の不存在を確認するところまでには至りませんでしたが、強引な請求をブロックし、一応の終件となりました。
風俗店における罰金や損害賠償請求は、様々な理屈を積み重ねて高額になるケースがございます。
今は相手方として反社会的勢力に属するような方が出てくることはほとんどなくなりましたが、それでもこちらの思い込みや知人に反社会的勢力がいることを匂わせる言動などを巧みに駆使して不安を煽り、根拠のないお金や不当に高額なお金を這わせるというケースがございます。
法的にこちらか反論できる場合でも、ご自身でそれを明確に告げたうえで交渉するには勇気がいるかもしれません。
もしご自身での対応に限界を感じられたら、早い段階で弁護士にご相談ください。
*執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)
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