平成時代が終わろうとしています。平成は技術の革新が目覚ましく、昭和の時代と比較すると飛躍的に便利な世の中になりました。
なかでもインターネットの普及は、我々の生活に大きな変化を与えています。どこにいても、欲しい情報を一瞬で手にすることができるのは、昭和の時代には考えられないことでした。
不適切な書き込みも多い
そんなインターネットですが、便利である半面、数多くの問題も抱えています。その代表的なものが、不適切な書き込み。
ネット上にはオンラインゲームのチート方法や、ハッキングの指南など、犯罪的とも思える情報が氾濫。不適切な情報にも思えるのですが、放置されているのが現状です。
このような書き込みは違法性はないのでしょうか?
法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士にご意見を伺いました。
違法性はないのか?
清水弁護士:「オンラインゲームのチート方法や、ネットワークのハッキング方法などを紹介したとしても、一般的にはそれが違法になることはありません。
違法にならないのは、そういった単なる情報提供にとどまるものを取り締まる法律がないためです。
違法と言えるためには、それを取り締まる法律が必要なのです」
現在の法律では、このような情報をネット上に紹介していたとしても、あくまで「情報提供」にすぎず、取り締まることはできないようです。現状は、利用者のモラルに任されているということですね。
野放しというわけではない
チート情報やハッキング指南などは、本来流してはいけない情報であることは、誰もが理解しているはず。しかし一部にはそのような少数しか知り得ない情報を流すことで一種の優越感を持ち、満足しているネットユーザーが存在しているようです。
このような書き込みを取り締まる法律はありませんが、現在はプロバイダーやサーバー管理者が不適切と判断した書き込みを規制している状況です。また、犯罪を誘発するような書き込みが放置されている場合は、「インターネット違法・有害情報相談センター」に連絡するという方法もあります。
いずれにしても、違法性の高い書き込みが放置されているというわけではありません。時代とともにネットリテラシーが高まり、自主的な規制で違法投稿を監視・規制する社会となっています。
*取材協力弁護士:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)