前回(私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①)、子供を連れ、全財産を持ち逃げした上、勝手に離婚届まで提出した夫・よし夫に対し、妻・まゆこは、離婚後の親権の変更を求めるのが難しい状況であることを知りました。
かわいい我が子を取り戻すためには、離婚届を白紙に戻すことが必須。まゆこは、離婚をなかったことにするため【協議離婚無効確認調停(※)】に挑みます!
※協議離婚無効確認調停(きょうぎりこんむこうかくにんちょうてい)
そもそも離婚は、離婚届を提出する際に、夫婦双方に離婚する意思のあることがなくてはなりません。そのため、一方に離婚の意思がないのに離婚届が受理されたしまった場合、戸籍上は離婚が成立していても、法律上は無効と考えられます。 協議離婚無効確認調停では調停手続きによって、離婚を無効にする・しないが話し合われます。無効にすることで合意に至った場合、戸籍が訂正されます。 |
調停開始!計画犯よし夫のとんでもない主張とは
申立てから1ヶ月、とうとう調停の幕が開きました。「よし夫が来ないかもしれない」というまゆこの不安をあっさりと裏切り、弁護士を連れたよし夫が現れました。
まずは、調停室にまゆこが呼ばれ、今までの経緯や事情を話し、最低でも親権がほしい、財産分与がしたい旨を伝えました。
子供も財産も奪われた事実に、調停委員が同情してしまうのは当然です。
通常であれば、まゆこの方が圧倒的に有利と考えられますが、よし夫は想像をはるかに超えた主張をしてきたのです。
それは、
「妻は子供を虐待していて、子供の世話もせず、家事もしていなかった。親権は渡せない」
という、とんでもない主張です。
しかも、証拠として部屋が散らかっている写真(自作自演)を提出し、子供が虐待されたエピソードをでっちあげたのです。
結婚してから、家事も育児も任せっきりのよし夫に、文句一つ言わず、毎日こなしてきたまゆこは、驚きで声がでません。
調停は長引きそうです…。
よし夫の超超計画的離婚|調停に終わりは来るのか…
調停におけるよし夫のでっちあげは止まりません。突然家を出たよし夫に対し、まゆこが送った謝罪メール(「私が悪かった、帰ってきてください」などの内容)が証拠だとして、まゆこは自分の非を認めていると主張してきたのです。
もちろん、まゆこに非はありませんでしたが、その頃は帰ってきてほしくて必死だったため、謝罪メールもたくさん送っていたのです。こんなことに利用されるなんて、思ってもみませんでした。
そのほかにも、まゆこは自分で離婚届にサインをした事実がある上に、よし夫の悪事を裏付ける証拠がなかった(よし夫が連絡はメールを利用せず電話で済ますなど、証拠を残さなかった)ので、話は難航。調停委員も困惑していました。
次の調停は2ヶ月後、まゆこは無事離婚を白紙に戻せるのでしょうか?
まとめ
この話で紹介した調停は現在も続いており、まゆこが離婚を白紙に戻せるか、よし夫が逃げきるかはかなり紙一重…。
次回、1年半ぶり子供と面会交流したまゆこ。感動の再開! でも、親権を獲得したいなら、子供の前で絶対に泣いてはいけない?
弁護士に聞く、裁判所の『親権者にふさわしい親』の判断基準とは?
次回につづく…
*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)