選挙活動真っ盛りですが、ちょっと気になる話題がありました。
どうやら「豊島区」と検索すると検索窓の横に「豊島区 A山B男 明るい政治家」「豊島区 素敵な政治家 A山B男」と検索候補が出てくるように細工をした区議候補がいるそうです。
このように検索の予測に細工することを「検索スパム」などと呼びます。検索スパムをしてくれる業者は結構いて、私の事務所にも営業に来ます。
例えば「弁護士」と検索すると「弁護士 星正秀 高評価」とか検索候補が出てくるように細工してくれるというのです。その費用はまちまちで10万円から30万円程度です。
●公職選挙法ではどうなっている?
ところで、このような検索スパムを利用して選挙活動をすることは違法なのでしょうか。
私が調べた限りですが、公選法その他の法律に違反することはありません。とはいえ、このような小細工をすれば、逆に評価が落ちるのではないでしょうか。
●過去にはGoogleが訴えられたケースも
検索スパムとは少し違いますが、ある人の名前を検索すると検索窓の横に「C山D男 殺人犯」と検索候補があらわれるので、そのような表示にならないようにGoogleに依頼した人がいます。Googleが応じなかったので裁判をしたところ、その人が勝ったそうです。
そしてGoogleはそのような名誉毀損になり得る検索候補が出ないようにしたそうです。
●検索スパムの怖さ
検索スパムを利用すると、同じようなことが出来ます。
例えば、私を誹謗したい人が検索スパム業者に依頼し、「弁護士」と検索すると「弁護士 星正秀 悪徳」とか検索候補が出てくるように細工出来ます。このような検索スパムは名誉毀損罪になります。
もしかしたら今回の検索スパムもライバルが評価を下げる為にあえてやった可能性もあります。
公選法には触れないとはいえ、やり方を間違うと評価を下げたり、名誉毀損になりえる方法ですので、オススメしないことは言うまでもないですね。
*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)