桜前線北上中!今年も日本各地でお花見が開催されるこの季節がやってきます。
毎年この季節になると、「日本に生まれてよかった。」と実感させられます。みなさん、こんにちは。お花見大好き弁護士の河野です。
さて、そんな素晴らしい日本の風物詩お花見ですが、毎年残念なことに、花見客のマナー違反を報道するニュースを目にします。本日は、単なるマナー違反を超えて、「違法行為」になり得ることをご紹介したいと思います。
●場所取りで逮捕!?
「少しでもいい場所を確保したい!」こういう思いはお花見をする方誰もが思うことです。
しかし、お花見の場所を、対価を支払って人に頼む、もしくは場所取りを引き受けると、地域によっては、いわゆる「迷惑防止条例」に違反します。もちろん、罰則もあります。過去には東京で逮捕された例もあります。全ての都道府県に当てはまるわけではなさそうですが、注意が必要です。
●場所取りが不法占有!?
また、場所取りに関しては、場所取りのやり方次第によっては、土地の「不法占有」という違法行為にもなり得ます。
自分の敷地内でお花見をするという人には関係ありませんが、大多数の方は公園や河川敷など、公共施設でお花見をすることになろうかと思います。公共施設には、各種法令等により施設管理者が定められています。
現実問題としてお花見のたびに許可を取る必要までは有りませんが、施設管理者が許容する程度を超える過度な場所の占拠は違法と評価されます。例えば極端な例ですが、お花見の何日も前から公園内一面にブルーシートを敷いて放置するような場合、施設管理者から撤去するよう命じられるかもしれません。
●桜の枝を折って持ち帰る行為が罪に!?
きれいな桜を家に帰ってからも味わいたい。お花見をしているとそんな欲求に駆られる方もおられるのではいでしょうか?
こういった行為も、違法です。桜にはそれぞれ所有者が定められています。他人の物を損壊したということになりますので、刑法上の「器物損壊罪」に該当します。法定刑は、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」ですので、お気をつけください。
●ついお酒を飲みすぎて…裸になると罪に!?
お花見といえばお酒はつきものですよね。でも、つい飲みすぎて裸になってしまうと…。
はい、アウトです。もし勢い余って下半身を露わにしてしまうと、公然わいせつ罪となり、6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料、お尻を出してしまうと軽犯罪法違反(拘留又は科料)という罪になります。
●最後に
お花見は日本の素晴らしい文化ですよね。楽しいお花見でトラブルにならないように、皆さんマナーを守ってお花見を楽しみましょう!
*著者:弁護士 河野晃 (水田法律相談所。兵庫県姫路市にて活動しております。弁護士生活5年目を迎えた若手(のつもり)弁護士です。弁護士というと敷居が高いと思われがちな職種ですが、お気軽にご相談していただけるような存在になりたいと思っています)