6月19日、世界的にFacebookのサーバがダウンしました。
日本でも多少の時間、Facebookにアクセスすることができなくなりましたが、比較的すぐに復旧したようです。
ところで、Facebookのメッセージやグループなどの機能を業務に活用している企業などもあるようですが、これら企業は一定時間業務に支障をきたしたかもしれません。
この場所、Facebookは何らかの責任を負うことはあるのでしょうか?
●利用規約に従う必要がある
Facebookを利用するためには、アカウントを作成しなければいけなせん。アカウントを作成する際には、Facebookの定める利用規約に同意することが求められます。
つまり、Facebookを利用しているということは、利用規約に同意しているということになります。
ただ、利用規約そ詳細に読んで利用規約に同意しているという例は少ないと思います。そこで、ここで利用規約を見てみましょう。
●Facebookの利用規約は免責事項がたくさんある
Facebookの利用規約のうち、「免責」というところには、以下のような定めがあります。
弊社は、Facebookが常に正常に機能し、障害がなく、安全な状態を維持できるよう努めますが、利用者は自らの責任においてFacebookを利用するものとします。弊社は、Facebookを現状のまま提供し、明示的、暗示的にかかわらず、いかなる保証(商品性、特定の目的への適性、非侵害に関する暗示的保証を含む)もしません。弊社は、Facebookが常に安全かつセキュアで問題がないことや、Facebookが常に中断や遅延、不完全な状態なく機能することを保証しません。Facebookは、第三者の行為、コンテンツ、情報、またはデータに責任を負いません。
最初の一文からして、簡単に言えば「Facebookが正常に機能しないことがあり、利用は自己責任で」ということを謳っています。
つまり、サーバダウンをしていても、Facebookは責任を負いませんというのと同義です。
したがって、結論的に、Facebookの責任を追及することは難しいです。
●なにもFacebookに限った話ではない
このようなサーバダウンは、別にFacebookに限った話ではありません。たとえばレンタルサーバを借りていたところ、レンタルサーバがダウンしたということが起きるわけです。
レンタルサーバ会社もこのような場合に備えて、Facebookと同じように、免責を認める規約等を設けていることが通常です。
一つの会社のサービスに依存することは便利ですが、その会社に問題が生じると全ての業務が回らないことにもなりかねません。そのことは意識しておくべきかもしれません。
*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)