今年2014年の母の日は5月11日日曜日です。
母と一緒に住んでいない、あるいはゴールデンウィークでも帰省できない方などは、プレゼントとしてお花を郵送する方も少なくないと思います。
お花屋さんにとっては年間を通じても注文の殺到する時期です。納期に遅れがでて、まさかの5月12日に到着がズレこんでしまうという連絡が来たとしたら、贈り主としては失望モノですよね。
こういったケースがあったとして、注文のキャンセルはできるものなのでしょうか?日にち指定のサービスについて、法律の視点から検討してみたいと思います。
日にち指定のサービスについて、その指定日にサービスを提供することができなくなった場合、法律上、原則的にはキャンセルが可能ですし、キャンセルした場合には、支払い済みの代金を返還してもらうことも可能です。
ただ、母の日や父の日、クリスマスなど、多くの人が誰かにプレゼントを贈るような年中行事の場合、業者の側がサービス提供に際して、予め「期日に間に合わないこともあるのでご了承ください」と断っているケースもあります。
■予め断っているケースでは
このようなケースでは、依頼をする側も期日に間に合わない可能性があることを了承した上で代金を支払っているので、そもそも「その日」にサービスを提供することが契約に必須の条件とはいえないと評価される場合もあります。
このようなプレゼントの申込は、指定の日にちからそれほど遠くない日に多数なされることが少なくなく、さらに、指定日にお届けが可能かどうかわかるのも、指定日ぎりぎりになることが少なくありません。
このような場合に、多数のキャンセルが出るのを防ぐために、業者側は「遅れる場合もあり得る」という断りを入れて注文を受けつけるのです。
業者側の手配に特に落ち度がなく、遅れる日にちも1日から数日程度という場合、先ほどの断りがあるケースでは、業者がキャンセルに応じない、応じても代金は返還しないという措置を取っても、特に法的な問題はないでしょう。
そもそも、先ほどもお話ししたとおり、母の日のプレゼントなどは、遅延がわかるのがかなりぎりぎりのタイミングであることも少なくありません。
キャンセルしても損をする可能性もありますし、間に合う業者を見つけることも困難です。数日程度の遅延は、こういう行事ではつきものと受け入れることが賢明ではないでしょうか。
*著者:弁護士 寺林智栄(琥珀法律事務所。2007年弁護士登録。法テラスのスタッフ弁護士を経て、2013年4月より、琥珀法律事務所にて執務。)