フリーランスへの悪質な「無報酬」オファー 対抗する方法は…

先日Twitterにフリーランス編集者と思われる女性から、大手テレビ局の番組に2日間拘束されるなどして出演した後、「”無報酬に同意する”などと書かれた誓約書にサインをさせられそうになった」と訴えたことが話題になりました。

その番組には彼女以外にも「有識者」がたびたび出演しており、多くの出演者が拘束後「無報酬を同意させられていたのではないか」番組やテレビ局に怒りの声が上がっています。

 

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あるフリーのイラスレーターは…

このようなフリーランスへの迫害とも思える対応は少なくないようです。

フリーのイラストレーターBさんはこう話します。

「著名なサイトから『うちで絵を書いてみないか』といわれ、喜んで打ち合わせに行った。詳細を聞いて自分にできそうな話だなと思っていたのですが、条件の話が一切なかったんです。

条件で破談になりたくないし、『是非やらせてください』と言って帰宅。

数日待てばなにか言ってくるだろうと思っていました。ところが一向に話がないので、『ところで条件はどうなっていますか?』と聞いてみました。

すると担当者は『え、お金を取るつもりですか?あなたのような名前のないイラスレーターがうちで書けるなんて滅多にないし、無報酬でも宣伝になりますよ?』と言われブチキレ。自分の労力をただで使おうとしていたなんて…。

抗議したところサイトの編集部は把握してなかったらしく、後に上の方から謝罪を受けましたが、担当者はいませんでした。もちろん仕事はしていません」

 

 

罪にならないの?

弱い立場の人間を下に見た行為。このような行動は罪にならないのでしょうか?

ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に聞いてみました。

森川弁護士:「大きなテレビ局が、事実上、報酬無しの仕事を「強要」することは社会的に問題があると思います。

ただし、法的に強要という為には、無理に契約に合意させたという事実が必要となりますが、成人が署名捺印をした場合、それが任意ではないと認定されることは極めて稀でしょう。

もちろん、暴力を用いられたり、明白な脅迫で迫られた場合は別です。

次の仕事が貰えないかも、という状況というだけでは、法的には強要とは認められないのではないでしょうか」

社会的に見れば全くおかしい行為ですが、「契約書に捺印しろ」と強要されるなどしていない場合、「罪」に問うことは難しいようです。

 

どう対処すればいい?

フリーランスなど弱い立場の人間は、無報酬を迫る企業にどう対処すれば良いのでしょうか?

森川弁護士「安い仕事を事実上強制されるというのは、まさに『搾取』ですが、それは程度の差あれ、資本主義体制下にあっては常態化しています。『そんなのおかしい!』と皆で声を上げることは重要だと思います」

仕事は正当な対価があってこそ成立するもの。

また安易に無報酬や低賃金の仕事に同意することは、業界のためにもなりません。「無報酬やあまりにも不当に低い賃金は無理だ!」と声を上げていくべきではないでしょうか。

 

*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

森川 文人 もりかわふみと

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