ホストクラブの売掛金債務の整理を多くお受けする中で、担当ホストから「支払わずに逃げたら犯罪である。警察に通報する」と言われたご相談者様、ご依頼者様が多くいらっしゃいました。
本日は、ホストクラブでの飲食代金を支払わないことが「犯罪」になるのか、お話したいと思います。
結論から申し上げると、原則、犯罪には該当しません。
最初から騙すつもり(飲食代金を踏み倒すつもりで)で飲食物の提供を受けたのであれば、詐欺罪に該当する可能性があります。
しかし、ほとんどの方は、ご自身の支払能力に不安を感じることはあっても、売掛金を作る際に、払う意思をお持ちでいらっしゃるかと思います。
現に、多くの方は、その場から走って逃げだすというようなことはなく(物理的に出来ないのかもしれませんが)、身分証明書を提示したり、伝票に日付や名前を書いたりと、担当ホストやホストクラブに自らの情報を提供しています。
無銭飲食ならば、後日に辿られるような情報を自ら提供するようなことはしませんよね。
以上、最初から騙すつもりでオーダーをしたなどの特殊なケースを除いて、飲食代金を支払わないことが「犯罪」に該当するなどといったことはありません。
そのため、警察が逮捕するなどということはまずないでしょう。
担当ホストは言葉巧みに「捕まる」「親に迷惑がかかるぞ」「仕事を失う」といったような揺さぶりをかけて、なるべく早く自らの売掛金を回収しようとしてきます。
ご自身での対応に不安を感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。
*執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)
*画像はイメージです(pixta)