無料の法律相談を提供している事務所は数多くありますが、相談時間にはどうしても制約があり、話したいことを話せなかったり、聞きたいことを聞けなかったりすることがあるかと思います。
多くの法律事務所では相談時間は30分程度でしょうか。
30分となると、かなり短いですよね。
効率的に使わないと、すぐに時間が来てしまいます。
相談の時間を効率的に使うためには何が出来るか、以下のポイントを意識してみてください。
①資料などがある場合、量にもよるが事前に法律事務所に送っておく
簡単な書類であれば格別、短い法律相談の時間の中で、多くの資料を読み込むのは困難と言わざるを得ません。
もし相談時に弁護士に説明したい資料が多くある場合には、事前にFAXしたり、写しを郵送で送るなどしておくと良いでしょう。
弊所では多くのケースにおいて、事前にメールアドレスをお伝えしたうえ、当該アドレス宛に画像データなどを送っていただいております。
なお、可能であれば資料を説明するメモ(資料に番号を振ったり、タイトルを付けるなどして、当該番号の資料を簡単に説明するメモなど)があれば完璧です。
②関係図を書いておく
登場人物が多いご相談内容の場合には、登場人物の関係図を書いておくとスムーズに全体像が理解できます。
口頭で説明すると、どうしても勘違いが起きたり、理解に時間がかかったりします。
図で一見して分かるようにしておけば、大幅な時間の節約が可能です。
こういった図を作成したときは、事前に法律事務所に送っておくと良いでしょう。
③時系列で事実関係を整理する
事実経過について、時系列で事前にまとめておいていただけると、聞き逃しや誤解を回避することができます。
ここで大事なことは、なるべく「事実」のみを端的に抜き出すことです。どうしても事実に対する評価やその時の感情にも触れたくなるでしょうが、全ての情報を一気に出してしまうと理解に時間がかかってしまいます。
もし評価や感情に触れる場合には、事実に軽く添えるような形で簡潔に記載すると良いかと思います。
④質問事項及び要望事項を整理しておく
事前に出来る限りで構わないので、法律相談の中で弁護士に確認したい事項や質問事項を整理しておくとスムーズに相談が進むかと思います。
ご相談者様の中には、事前に質問事項を送ってくださる方がいるのですが、これをしていただくと、法律相談の時間管理がしやすいですし、こちらも事前に調べておくべきことが分かるので、充実した回答をすることができます。
また、要望事項(弁護士を通じて何を実現したいか)も事前にいただけると助かります。
弁護士が考えるゴールは、基本的には法律や裁判を通じて実現できるものという発想から始まります。
依頼者と弁護士との間で目指すべきゴールが違うとしたら、それは悲劇でしかありません。
なるべく早い段階で、何を実現したいと考えているのかを弁護士に伝えることは重要であると思いますし、相談内容の充実にもつながります。
⑤話したい気持ちを少しだけ抑える
トラブルに巻き込まれ、ご不安になったり、嫌な思いをしたりすれば、自分の思うところを余すことなく話したいとお考えになるのはごく自然なことかと思います。
ですが、限られた時間の中で充実した相談を実現しようとすると、どうしても重要なポイントを優先的に把握したうえで、回答をする必要があります。
まずは法的なアドバイスをするにあたって中核となる話を中心に進めてまいりましょう。
そのうえで時間に余裕があれば、ご相談内容について思うところや感じるところ、愚痴の類まで目一杯ぶちまけてください。
私は皆さんのご相談をお受けする際に、本日の相談に来ただけで少し楽になったと感じてもらいたいと思っています。
そのためには内容の充実を第一に、第二にストレス解消してもらうことを意識しています。
限られた時間の中で、上記を両立させることは簡単なことではありませんが、引き続き精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。
お互いに歩み寄りながら、充実した法律相談を実現しましょう。
*執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)
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