人に水をかけると罪に問われる!って本当!?


恋人とのケンカ中、「もう頭にきた!」と感じたときに、目の前の相手にグラスの水をかけてやりたいと思うこと、ありますよね。

たまにドラマなどで見かける光景ですが、実際にやってしまうと罪に問われるかもしれません。

 

他人に水をかけると暴行罪に問われるおそれがある

他人に水をかけると暴行罪に問われるおそれがあります。

2017年には奈良県葛城市の市長にホースで水をかけた男性が暴行容疑で逮捕されました。

胸ぐらをつかむなどの暴力行為をして暴行罪に問われるのはわかりますが、水をかけても暴行罪が適用されるのはなぜなのでしょうか?

水をかけると暴行罪になるのはなぜなのか?

暴行とは、“人の身体に対する不法な有形力の行使”と解されています。(1954年(昭和29年)8月20日最高裁判決)

人の身体に対する不法な有形力の行使というと広すぎて漠然としていますが、わかりやすく言えば“同意があるときや正当防衛が成立するときなど、適法といえる場合以外で人の体に向けた直接の攻撃”はすべて暴行罪の暴行に当たります。

例えば、食塩をふりかける行為(1971年(昭和46年)10月11日福岡高裁判決)、相手の近くでブラスバンド用の大太鼓を叩いて意識をもうろうとさせるなどした行為(1954年(昭和29年)8月10日大阪地裁)なども、判例では暴行罪に当たるとされています。

また、下級審の古い裁判例ではありますが、不法な有形力の行使により単に不快嫌悪の情を催させる行為でも暴行と解するべきであるとしています。(1971年(昭和46年)10月11日福岡高裁判決)

したがって、水をかけるだけの行為でも“有形力の行使”として暴行罪が成立するのです。

 

暴行罪で有罪判決を受ける可能性は低いとしても

単に不快嫌悪の情を催させる行為でも暴行と解するべきとありますが、だからといって水をかけただけで暴行罪の疑いで「即逮捕!」となるわけではないですね。

実際に逮捕された事例も多く存在していますが、現場に来た警察官の判断による部分もあると考えられます。

実際に暴行罪で起訴され、有罪判決を受ける可能性は低いものの、逮捕されると最低でも1~2日は留置場に入れられてしまいます。

ちょっとした行為でも暴行罪に当たるとして逮捕されるおそれがあることは否めません。

腹が立っても冷静に行動すべきです。

 

*取材協力弁護士:木川雅博(星野・長塚・木川法律事務所(旧星野法律事務所)。企業法務(会社運営上生じる諸問題),売買代金・貸金請求,損害賠償・慰謝料請求,不動産を巡る法律問題,子どもの事故,離婚・男女間のトラブル,相続問題,破産・民事再生・債務整理,労働問題など,法人・個人を問わず様々な案件を扱う。)

*取材・文:アシロ編集部

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