先日、ラーメン二郎仙台店で店員に「初めての人は小で」と言われたにもかかわらず、名物の大を注文し、「食えるわけねえよ」と笑いながら大半を残して帰った客について「クソ野郎三連コンボ」「2度と来るな」とTwitterに書き残し、店の対応が議論を呼びました。
店員がネットにツイートしてしまうケースは極めて稀ですが、居酒屋を中心に飲食店では店舗運営に不利益をもたらす行動や、迷惑行為を働いた客について、店側が「入店拒否」を通告することは多々あります。
客としては、納得がいかないこともしばしば。このような飲食店の「入店拒否」や「出入り禁止」措置は違法ではないのでしょうか?
Q.飲食店の「入店拒否」や「出入り禁止」、これは違法ではありませんか?
A.基本的に違法性は問題となりません。
飲食店営業に、「入店を拒否してはならない」とか「入店を許可しなければならない」いう明確な法規制はありません。
したがって、入店を許すか否かの店舗管理権は、その店のオーナーや管理する人物の裁量に任されており、その人物は、店舗管理権の行使の一環として、客の入店を許すか否かの裁量を有します。
したがって、そこに明確な理由が存在している場合(たとえば店へ迷惑行為を働いたなど)は、「出入り禁止」の処分に違法性はないと思われます。
ただし、差別的な理由など、合理的な理由がなく、かつ当該入店拒否が名誉棄損に該当したり、当該入店拒否によって客に対して明確な損害が発生することが予見できる場合には、当該入店拒否に違法性が生じる可能性は否定できません。
通常、飲食店が入店拒否や出入り禁止を通告することは、会員制でもない限り考えにくいとは思いますが、食事はくつろぎのひとときでもあるものです。
入店拒否や出入り禁止を通告されてまで飲食しても気持ちがくつろぐことはありません。そんな場合は気持ちを切り替えて他のお店を開拓してみてはいかがでしょうか。
*記事監修弁護士: 大達 一賢(エジソン法律事務所。第一東京弁護士会所属。「強い、やさしさ。」、「守る≒攻める」、「戦略&リーガル」の3つの思いを胸に、依頼者のために全力を尽くします)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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