2016年も残りわずかとなりました。
年末年始はカウントダウンに参加したり、初日の出や初詣に行ったりと若者同士で深夜まで外出することも少なくありません。
しかしながら、ほとんどの都道府県で青少年保護育成条例などで、18歳未満の青少年の深夜の外出が原則として禁じられています。子どもが親の言うことを聞いて、深夜の外出を控えてくれれば問題ありませんが、スムーズに事が進まず、子ども同士で深夜に外出してしまうケースもあるでしょう。
そこで今回は、18歳未満の青少年の深夜の外出はどのように規制されているのか、解説したいと思います。
■深夜外出の規制の内容
多くの自治体の青少年保護育成条例では、青少年の深夜外出自体を禁止してはいません。禁止されているのは、保護者の許可なく、あるいは、正当な理由なく青少年を深夜に連れ出す行為です。東京都では、16歳未満の子の深夜の連れ出しについて罰金刑を定めています。
深夜外出が許される正当な理由としては、火災や急病などの緊急事態の発生や、夜学・夜勤・塾通いなどのための外出などが挙げられます。
その他、深夜に行われる祭礼の行事等への参加が例外として認められているケースもあります。そうであれば、例えば、大晦日に除夜の鐘を聞く、除夜の鐘を鳴らすなどを目的として18歳未満の青少年が外出することも認められる余地があると思われます。
■保護者同伴の深夜外出は認められるか
いうまでもなく、青少年の深夜外出を制限する条例は、青少年が良からぬ誘惑を受けたり、犯罪に巻き込まれる、飲酒や喫煙に及ぶのを防止するために設けられているものです。ですから、多くの場合、保護者同伴であれば18歳未満の青少年の深夜の外出は許容されると思われます。
ただ、保護者同伴だったとしても、例えば、深夜遅くまで歓楽街や風俗街を連れて回るなどの行為に及んでいる場合には、やはり規制対象となることでしょう。保護者同伴であれば、なんでも許されるというわけではありません。
*この記事は2014年12月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)
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