電車待ちの列に「割り込む」行為は軽犯罪法違反になるかもしれない

平日朝の時間帯や行楽、帰省シーズンの週末などは、立ったままのお客さんも発生する特急列車の自由席。

特急の発車時刻のずいぶん前から、席に座る為に長蛇の列が作られ、ドアが開いた後は駆け足で席を確保する人達でにぎわいます。この様な時に起こりがちなトラブルが「割り込み」です。

並ばずにドアが開いたら入り込む人や、並んでいる列に割り込む人、このような行為をする人は少なからずいます。

割り込まれた側としたら不快極まりないわけですが、それで座席に座れなくなったなどの被害があれば更に黙っていられないでしょう。

このような一連の行為はマナー違反ということは大前提として、法的に見た場合、問題はあるのでしょうか?検討してみたいと思います。

スミレ / PIXTA(ピクスタ) 新幹線駅

■軽犯罪法違反

自由席に座るための列に割り込む行為は、軽犯罪法違反に問われる可能性があります。

軽犯罪法1条13号では、電車を待っている列に割り込む行為を、科料または拘留に処すると定めており、法定刑は非常に軽いですが、社会秩序を乱す迷惑な犯罪行為として、禁止しています。

科料とは1万円の罰金、拘留は30日未満の期間身柄拘束(拘置)をする刑罰です。

ただ、実際には、よほど悪質であったり、繰り返し行うなどの事案でない限り、刑事事件として立件されることはないと思われます。

 

■鉄道会社に対する業務妨害

通常は考えられないことですが、故意に列に割り込み、その度に他の乗客とトラブルを起こして鉄道の運行に支障を生じさせる程に達した場合は、鉄道会社に対する威力業務妨害罪に問われるおそれもあります。

 

■不法行為責任

自由席は、空いていれば座れますが、必ず着席を保証するものではありません。したがって、満席であれば、次の列車を待つことが初めから想定されているといえます。

そういう意味では、列に割り込んだからといって、当該列車の自由席に本来座れた利益を不当に侵害されたとはやや評価しにくいですし、列の割り込み行為と当該列車の自由席に着席できなかった結果との間の因果関係の立証も難しいかもしれません。

 

自由席の列に割り込む行為は、重い刑罰の犯罪行為とまでは評価しにくいですが、軽犯罪法違反に問われる迷惑行為であることに変わりはありません。

マナーと秩序を守って、新幹線を利用しましょう。
*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中 国法務、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件等が専門。)

*スミレ / PIXTA(ピクスタ)

星野宏明
星野 宏明 ほしのひろあき 弁護士

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1‐21‐8 弁護士ビル303

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