「正当な理由なくバール所持」で逮捕・・・「特殊開錠用具所持禁止法」とは?

「特殊開錠用具所持禁止法」という法律をみなさんはご存知でしょうか。

先日、バールを持っていた2人組がこの法律違反で現行犯逮捕されたというニュースがありましたが、刃物じゃあるまいしバールを持っていただけで逮捕されてしまうのかと思った方もいるかもしれません。

そこで、今回はなぜバールを持っていると違法になってしまうのか、特殊開錠用具所持禁止法について解説したいと思います。

417pp / PIXTA(ピクスタ)バール

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●侵入盗などを未然に防ぐためにある法律

「特殊開錠用具所持禁止法」は、通称「ピッキング防止法」と呼ばれているように、ピッキング用具そのものや住居侵入などに用いられやすいドライバー、バール等の所持や携帯を禁じている法律です。

ドライバーやバールの携帯もだめなの?と思う方もいるようにピッキング用具そのものとドライバーやバールとでは危険性の程度に差がありますから、法令では、(1)「指定侵入工具」に当たる一定の長さや幅を超えるドライバーやバールを、(2)業務その他正当な理由なく、(3)隠して携帯することのみを禁止しています。

ですから、堂々と手に持ってバールを持っている場合には特殊開錠用具所持禁止法違反ではないことになります(ちなみに軽犯罪法違反にもなりません)。

 

なお、隠して携帯することが禁止されるバールは、作用する部分(くぎ抜きに用いる部分やすき間に差し込む部分)のいずれかの幅が2センチメートル以上であり、かつ、長さが24センチメートル以上のものです。

 

●「バールのようなもの」を隠して携帯することは違法か

ニュースで、「犯人はバールのようなものを用いて侵入したと考えられています。」などと「バールのようなもの」が登場することが多いと思います。

「バールのようなもの」であっても、それがバール同様の用途に用いることができるものであれば、上記のように作用部の幅2センチメートル以上、かつ、長さが24センチメートル以上のものは特殊開錠用具所持禁止法上のバールとして隠しての携帯が禁止されることになります。

つまり、バールのような道具として「かじや」という大工道具(金づちとバールが合体したようなもの)やL字型のくぎ抜きがありますが、これらも特殊開錠用具所持禁止法上のバールに当たり得ますので注意が必要です。

日常生活でバールを用いる可能性は低いでしょうが、このような法律があることを知ったみなさまは適法にバールを携帯してくださいね。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)

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木川 雅博 きかわまさひろ

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