国が被災者を助ける「災害救助法」とはどんな内容なのか

鬼怒川の氾濫において災害救助法が適用されるようです。

普段聞かない法律ですが、地震や土砂災害、火山噴火などが発生した際に適用されており、年に数回は適用されているようです。

それでは内容はどのようなものになっているのでしょうか?紹介していきます。

土砂災害

●1…目的ですが、災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることです。

●2…実施体制ですが、災害救助法による救助は、都道府県知事が国の受託を受けて行います。また、市町村長がこれを補助することになります。

●3…この法律の適用基準ですが、大規模災害に限られます。小規模の災害は除かれます。基準としては、人口5,000人未満の集落で住家全壊30世帯以上程度とされているようですが、ある程度柔軟に運用されているようです。

実際に適用されるか否かで、被災者にとって雲泥の差が出ます。実際に適用されると、後記の通り各種の救助を公費で受けられますが、適用されないとすべて自費でまかなわないといけません。

ただ、この費用は税金を使うものですから、全ての災害に適用するわけにはいきません。その辺のさじ加減が難しいところです。

●4…救助の種類、程度、方法及び期間は、次のようになっています。

【1】救助の種類
(1)避難所、応急仮設住宅の設置(2)食品、飲料水の給与(3)被服、寝具等の給与(4)医療、助産(5)被災者の救出(6)住宅の応急修理 (7)学用品の給与 (8)埋葬 (9)死体の捜索及び処理 (10)住居又はその周辺の土石等の障害物の除去

【2】救助の程度、方法及び期間
内閣総理大臣が定める基準に従って、都道府県知事が定めるところにより現物で行なうとされています。つまり、金銭を給付することなどは出来ないことになっています。

●5…強制権の発動も定められています。つまり、大規模災害という緊急事態に対応するため、必要な物資の収容、施設の管理、医療、土木工事等の関係者に対する従事命令等の強制権が確保されています。

●6…その他、国と地自体との間の経費の負担割合や、災害救助基金の積み立て義務等が定められています。
似た名前の災害対策基本法は、国や地方公共団体が地域防災計画など防災施策を定めるもので直接の関係はありません。

 

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

*画像:kelly marken / PIXTA(ピクスタ)

 

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星 正秀 ほしまさひで

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