給与の代わりに「現物支給」…そんなことアリなの?

会社の景気が悪い時に、会社が自社の商品を給与の代わりに社員に渡すなんてことが話題になったりしました。

会社の商品をもらった社員は、それを売れば現金になりますが、簡単に売れるものではありません。そもそも、簡単に現金化出来る商品を作っている会社が景気が悪くなることなどありません。

最近はブラック企業に加え、ブラックバイトなどの言葉が頻繁に使われるなど労働環境についての関心が高くなっています。やはりバイトにおいても現物支給などの場所があるらしく、ネット上では不満を漏らす声が散見されます。

意外と行われている賃金の現物支給。法的にみるとどうなるのでしょうか。

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●「賃金」は現金以外を認めていない

実は、労働基準法でいう「賃金」は「通貨で、直接、毎月一回以上、全額」を支払わなくてはいけないと事細かに定められています。従って、通貨(現金)以外で支払われる現物支給は違法です。

 

●労働協約に定められていれば可能

例外的に労働組合と会社が話し合い労働協約が出来ている場合は現物支給も出来ます。自分が働いている会社の労働協約をよく調べておくことが大事です。

ちなみに、税法上は、通貨(現金)以外の給付でも、給与として課税されることがあります。食事の現物支給や商品の値引販売などのようなものです。

たとえば、居酒屋でバイトして「まかない」として食事が無料で提供された場合、その食事代相当額が給与みなされることがあり得ます。

あるいは、換価性の高い商品を社員割引で半額で購入できた場合に、その商品を半額以上で売れた場合に差額の利益を給与とみなされることがあり得ます。

このように現物給付といっても、労働基準法と税法では取扱が異なります。おかしいと思ったら、労基署や税務署などで相談すること良いでしょう。

 

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

*画像: Shila / PIXTA(ピクスタ)

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星 正秀 ほしまさひで

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