広がりを見せる「Airbnb」 は法的にグレー? 「旅館業法」を巡る問題点とは

「Airbnb」ここ数年で日本でも注目され、聞いたことがある人も増えてきている言葉かも知れません。

Airbnbとは、自宅等を宿として貸したい人と、格安で宿を借りたい人を繋ぐサービスとして世界中で急成長しているサービスです。世界では80万件以上の物件が登録され、宿泊客2014年だけで2,000万人を超えていると報じられています。

ところで、Airbnbには、不在時の自宅を貸すために登録する人が多くいます。ホストにとっては不在時の自宅を有効に活用でき、ゲストにとっては宿泊料金を抑えられるというメリットがある一方で、自宅を宿泊施設として貸し出すことの法的問題点も指摘されています。

Airbnbでの自宅貸し出しに伴い発生する法的問題点のうち、今回は旅館業法との関係を取り上げてみたいと思います。

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■Airbnbは旅館業に該当するのか

自宅の貸し出しが旅館業法上の旅館業に該当する場合、都道府県知事の許可を受けなければなりません。

ここで、厚労省の発表している定義によると、旅館業とは、「(1)宿泊料を受けて(2)人を宿泊(寝具を使用して施設を利用すること)させる(3)営業」をいいます。

Airbnbは、不在時の自宅にゲストを宿泊させて料金をとるため(1)(2)をみたすのは疑いありません。

また、(3)営業とは、個人・事業者を問わず、その行為が反復・継続して行われるかという実質面から考えられるものですから、たとえ個人による自宅の貸し出しであるとしても、Airbnbのウェブサイトに登録して自宅貸し出しを繰り返す場合、(3)営業とみなされる場合もあるでしょう。

実際に、平成26年5月、足立区内にある住宅を宿泊施設として営業している英国人男性が旅館業法違反の疑いで逮捕されましたが、不在時に自宅をAirbnbで貸し出す行為もこの事件と同様、旅館業法違反に問われる可能性はあるでしょう。

 

■「国家戦略特区」なら旅館業法は適用されないというルールがあるが……

国家戦略特区とは、内閣府によると「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、2015年度までの期間を集中取組機関とし、いわゆる岩盤規制全般について突破口を開いていくもの」をいいます。すでに、首都圏や関西圏が国家戦略特区として指定されています。

国家戦略特別区域法は、国家戦略特区に指定された自治体が条例を制定し、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業として内閣総理大臣の認定を受けたならば、以後は旅館業法上の許可を受ける必要がなくなるとしています(同法13条)。

これは、2020年の東京オリンピックに向けて多くの外国人を日本に招致することを狙いとした政策に端を発したものであり、Airbnbを使用するゲストに外国人が多いことも事実ですが、ここで問題となるのは「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」の要件です。

政令によると、施設を使用させる期間が最低でも7日間であることや、部屋は25㎡以上であること、施設の使用方法に関する外国語を用いた案内・緊急時における外国語を用いた情報提供を行うこと等の要件をみたす必要があります。

ところが、Airbnbは、通常1泊や2泊の短期の滞在を予定した貸し出しが多く、また、Airbnbのホストが外国人ゲストに対して外国語の情報提供まで行うことは難しいと考えられます。

結局のところ、国家戦略特別区域であっても旅館業法の適用を免れることは難しいでしょう。

 

■今後の動きに注目

Airbnbには、検討した旅館業法との関係以外にも多くの法的・倫理的課題を含んでいます。日本でのAirbnbの普及に伴い、行政やAirbnb日本法人がどのように対応していくのか、今後も目が離せません。

 

*著者:弁護士 鈴木翔太(弁護士法人 鈴木総合法律事務所)

*パレット / PIXTA(ピクスタ)

鈴木 翔太 すずきしょうた

弁護士法人 鈴木総合法律事務所

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