毎日のように非常通報ボタンを押す人がいるとネットで話題になっているようです。
その方は、体が悪く、優先席付近にいるそうですが、そのそばでスマホをいじる人がいると非常通報ボタンを押しているそうです。
通勤時間帯にそれをされるとなかなか利用者にとっては迷惑な話かもしれませんが、この行為は法的に問題はあるのでしょうか?
答えを先に言ってしまうと、規則がある以上規則違反の行為があった場合に非常通報ボタンを押すこと自体は法的に問題になりようがありません。特に、体の具合が悪く、スマホに対し恐怖感を持っている人ならなおさらです。
余談ですが、優先席付近はスマホや携帯電話が禁止されていますのでそこでスマホを使う人が悪いのは分かりますが、現行のスマホや携帯電話はペースメーカーにほとんど影響を与えないと言われていますので、スマホ禁止の規則が悪いのかも知れませんが、今回はこれ以上触れません。
●いたずらで押したらどうなるの?
仮に、規則違反がないにもかかわらずいたずら目的で非常通報ボタンを押したような場合にはどうなるでしょうか。
非常通報ボタンが押されたあとの対処については鉄道会社によって違うそうです。電車が駅に着く前に安全な場所に電車を止める会社や次の駅に停車させる会社やインターホンで確認しいたずらではなく停車する必要があると判断した場合にだけ止める会社もあるそうです。
いずれの場合も、鉄道会社の業務に多大な支障が生じます。このようないたずらは、刑法の業務妨害罪となりえます。業務妨害罪は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が法定刑と定められている犯罪です。絶対にしないことです。
*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)