何を書き込んだらアウト? どこからが「風説の流布」になってしまうのか

日経平均株価の終値が約15年ぶりに1万9,500円を超えるなど上昇を続ける株価市場。強気の相場はいつまで続くかわかりませんが、まだまだ上昇が見込まれる人気銘柄もあるようです。

しかし、「あの企業の株価がまだまだ上がってほしい」、「あの銘柄の株価は下げてやろう」として、根拠のないうわさをネット上に書き込むことは「風説の流布」として法律で禁止されており、最近もサイトの運営者が強制捜査を受けた事例があります。

しかし、日々ネット上にはあることないこと様々な内容の情報が錯綜しています。日常会話でも様々な話がされていることでしょう。それではどこからが風説の流布となってしまうのでしょうか?

そこで、風説の流布とは何か、どういう行為が風説の流布として違法になってしまうのかを解説したいと思います。

株か

●「風説の流布」って何?

風説の流布とは(1)合理的な根拠のない事実・うわさを(2)不特定多数人に伝達されうる状態に置くことをいい、金融商品取引法(以前の証券取引法)は、有価証券の相場の変動を図る目的をもって風説の流布を行うことを禁止しています。

このうち、(2)については、少数の人に口頭で話したり、特定の人にメールで送ったりした場合でも、外部に漏れて広まる可能性のある場合には「不特定多数人に伝達されうる状態」とされてしまうので注意が必要です。もちろん、ネット上に書込みを投稿した場合は当然に「不特定多数人に伝達されうる状態」に置いたことになります。

風説の流布が禁止される理由は、当たり前のことですが、このようなうわさは投資家の判断を誤らせ、相場を変動させた人に不当な利益をもたらしてしまうからです。

なお、有価証券の相場を操作する目的で虚偽情報を流せば、金融商品取引法違反になり、一方で、相場操作を目的としていない場合は、業務妨害罪違反となる可能性があります。

 

●「風説の流布」の具体的なケース

上で述べた強制捜査の事例では、ネット上の掲示板に「倍増へ向けての暴騰仕掛け株 6775 TBグループに暴騰仕掛けが入るとの情報です」等の書込みがなされています。

その他、事実ではないのに「A社は近く上場するため今が買い時である」、「B社は今後大々的なTOBを行う」、「C社は更なる業績拡大を狙ってD社との間で業務提携を行う」などの書込みを行うことは風説の流布に当たります。

 

●掲示板や投資サイトに書き込むのはOKなの?

ネット上の掲示板や投資サイトには、注目銘柄や値上がり予想が書き込まれており、これらは風説の流布には当たらないのかという疑問が生じると思います。

基本的には、単なる個人の予想や今までの相場変動等の事実に基づいた予想の書込みは風説の流布には当たりません。虚偽の事実を書き込んだものかどうかがポイントになるでしょう。

なお、サイトの書込みが真実の情報であるとは限りませんので、それを鵜呑みにしてネット上で書込みを行ったりツイート・リツイートしたりしてしまうと取締りを受ける危険があるので注意が必要です。

証券取引を監督する機関である証券取引等監視委員会は、掲示板や投資サイト等で健全な意見交換が行われること自体は悪いことではないと言っていますが、悪質な事例では容赦なく取締りが行われますので、対処法としては、安易に虚偽の情報をネット上に書き込まないようすることが最善でしょう。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)

木川 雅博 きかわまさひろ 弁護士

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1-21-8 弁護士ビル303

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