プロレスの「ケンカマッチ」で顔面崩壊・・・なんで相手は傷害罪にならないの!?

女子プロレスの試合で、「ケンカマッチ」と呼ばれるルールを無視した戦い方が行われ、一方的な攻撃を受けた選手が顔面の骨を折るなどの重傷を負った試合が波紋を広げています。

現段階では法的措置も考えていないと報じられていますが、顔面の骨を折る程のケガを負ったのに法的措置はとらないというのは、どういうことなのでしょうか?

殴られてケガをしたら傷害事件として扱われるべきでは?と考えるかもしれません。しかし、被害者が傷害を受けることに同意している場合は、「同意傷害」と言い、犯罪にならないのが原則です。プロレス●同意していれば何をしても犯罪にならない?

今回話題となっているプロレスやボクシングなどの試合に出る選手は、あらかじめ自らが怪我をすること(傷害を受けること)を承知して出ていますので、この同意傷害にあたり犯罪になりません。

しかし、同意があればすべて犯罪にならないかというと学説は別れます。一切犯罪にならないという説も有力ですが、判例は、同意傷害でも一定の場合は傷害罪になると解釈しています。

 

●同意していたのに責任を問われた実際の例

交通事故の保険金をだまし取ろうと考えたAとBが、Aが運転する車にBが飛び込み怪我をして、保険金をだまし取りました。この事案が保険会社に対する詐欺になるのは当然ですが、判例は、AのBに対する傷害罪まで認めました。

その理由は、Bの同意が公序良俗に違反する目的だったからだと言っています。

公序良俗とは難しいことばですが、簡単に言えば反社会的な目的があれば、公序良俗に違反すると考えられます。詐欺目的は反社会的です。

 

●今回の試合はどうなる?

この基準を記事にあるケンカマッチに当てはめるとどうなるでしょうか。

ケンカマッチが反社会的と言えるかどうかの判断にかかると思います。反社会的とまでは言えないと思いますでの、被害者の承諾があれば、犯罪にはなりません。

しかし、被害者の承諾の範囲が、顔面骨折することまで及んでいないとすれば、承諾を超えた傷害として傷害罪あるいは過失傷害罪になる可能性はあります。

 

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

星 正秀 ほしまさひで

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