本当は怖い「自転車事故」…ケガをさせたら大変なことになるかも

ここ数年、健康志向や維持費が安いこともありブームとなっている自転車。

最近ではロードバイクやクロスバイクと呼ばれる走ることに向いている自転車の人気で、趣味だけではなく、通勤などの中長距離の移動も自転車で行うという人も増えてきました。

しかし、自転車で歩行者に衝突してけがをさせてしまった場合、思った以上に大変なことが待ち受けているかもしれません。

今回は自転車で事故を起こすことの怖さについて説明してみましょう。

自転車事故

●自転車保険に入っていますか?

自動車やバイクと違って、強制加入保険(自賠責保険)のない自転車。

つまり、任意保険に入っていない場合に自転車事故を起こしてしまったら、被害者の治療費、休業損害、慰謝料、事故がなかったら被害者が今後得られただろうお金などを全額自己負担で賠償しなければならなくなります(もちろん自分の治療費や壊れた自転車代なども)。

 

●「過失相殺」がない場合も

事故になったとしても、歩行者のほうもスマホを見ながら歩いていたり急に方向転換したりなどの落ち度があったらその分賠償額が減る(過失相殺される)のではないかと思われるでしょう。自動車事故の場合はよくある話ですね。

自転車対歩行者の場合も基本的には過失相殺されますが、歩道上の事故の場合は注意が必要です。

最近の裁判例は、自転車は道交法上「車両」扱いのため、自転車が歩道を走れるのは標識があるときや交通状況から見てやむを得ないときなどの例外的な場合であることや、自転車事故の増加を受けて、歩道上で自転車が歩行者に衝突した場合、過失相殺を認めず自転車の過失割合を100%とする傾向にあります。

自転車事故においては、後遺障害の中では1番軽い等級14級で600万円程度の損害賠償を認めたケースや、打撲とむち打ち程度のけがでも200万円以上の損害賠償が認められることがありますので、過失相殺がされず、損害賠償を全額自己負担することは加害者となってしまった人にかなり厳しいものになります。

自動車保険とセットの「個人賠償責任特約」や年額数千円のプチプラ自転車保険がありますので、自転車によく乗るという方は任意保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

●刑事責任

なお、いままでは民事責任の話ですが、自転車事故を起こして被害者にけがを負わせてしまった場合には刑事責任を負うこともあります。

けがの程度や事故の態様によって異なりますが、過失傷害罪・重過失傷害罪として最大5年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が科される可能性があるでしょう。

このように、自転車で歩行者に衝突してしまった場合には自動車事故よりも大変な結果をもたらすことがありますので、これを機に、自転車に乗る場合は、スピードを出しすぎず、基本的に車道を走って歩行者には十分注意することを心がけてください。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)

木川 雅博 きかわまさひろ 弁護士

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1-21-8 弁護士ビル303

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