「浮気相手と結婚したい」…浮気した側からの離婚は認められる?

現在、日本では124秒に1組、夫婦の3組に1組が離婚しています。

離婚理由には色々ありますが、「性格の不一致」と「浮気」は多くの要因となっています。通常であれば、浮気された側が相手に対して離婚を持ちかけるという流れが一般的ですが、浮気した上に「浮気相手と結婚したいから離婚したい」と、浮気した側が言うケースもあります。

しかし、このような勝手な理由でも離婚は認められるのでしょうか。そこで、今回は浮気を原因とする離婚について、高島総合法律事務所の理崎智英先生にお話を聞いてみました。

不倫浮気●離婚ができる場合とその方法

「まず、夫婦の合意があれば、いつでも離婚をすることができます。これを協議離婚といいます。

夫婦の話合いでは離婚が合意できない場合には、裁判所に対して離婚を請求します。ただし、訴訟を起こす前に、まずは家事調停を経る必要があります。調停の場合にも、最終的には夫婦の合意によって離婚が成立することになります(調停離婚)。

調停でも合意ができない場合には、訴訟を提起して一方的に離婚を求めることになります(裁判離婚)。裁判離婚が認められるためには、民法で規定する離婚事由のいずれかに該当することが必要となります。」

割合としては、協議離婚の割合がかなり高く、離婚すること自体は話合いで決まる人が多いようです。

 

●浮気された側からの離婚

浮気した側が、離婚したくないと言って話合いで解決できないとき、浮気された側は裁判で離婚を請求できるのでしょうか。

「浮気とは、一般的には、配偶者以外の異性との性行為を意味し、そのような行為は、離婚事由の一つである不貞行為に該当しますので、浮気された側の配偶者が裁判上訴えれば、離婚は認められることになります。」

 

●浮気した側からの離婚

では、浮気された側が離婚したくないと考えているとき、浮気した側から離婚を請求できるのでしょうか。

「最高裁は、婚姻関係の破綻について責任のある者(有責配偶者)からの離婚請求は、原則として認めないとしています。そのため、浮気をした配偶者が離婚を請求したとしても、原則として、離婚は認められません。

もっとも、最高裁は、(1)夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること、(2)当事者の間に未成熟子がいないこと、(3)相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的に極めて過酷な状況におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえないような特段の事情が認められないこと、という3つの要件を満たせば、浮気をした配偶者からの離婚請求であっても認められるとしています。」

(1)の相当の長期間とは、8年で認められた例や、9年8か月で認められた例がある一方、8年余の別居でも認められなかった例があります。浮気してすぐに別居して離婚を求めても認められないでしょう。

 

●浮気した配偶者からの離婚、せめてお金を払ってほしいけど…

離婚すると、配偶者ではなくなるので、法定相続人としての地位も失うことになります。したがって、遺産がもらえなくなりますが、相手に対して何か請求できないのでしょうか。

「浮気(不貞行為)をされた側の配偶者は、浮気した配偶者及びその浮気相手に対して、慰謝料を請求することができます。慰謝料の額は、不貞期間、不貞回数、婚姻期間等によって決まります。不貞期間が長ければ長いほど、不貞回数が多ければ多いほど、婚姻期間が長ければ長いほど、慰謝料の額は高くなります。これまでの裁判例では、200万円から400万円の範囲で慰謝料の額が決定されています。」

財産分与でも離婚後の生活維持が考慮される等、離婚によって生活が苦しくならないように制度が作られています。離婚割合自体は増えてきているものの、離婚が裁判で認められない可能性や、その後の金銭負担を考えると、浮気したからといって簡単に離婚できるとは限らないようです。

 

*取材協力弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

東京都港区虎ノ門一丁目11番7号 第二文成ビル9階

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