芸能人の結婚によるショックを理由に会社を早退することはできるのか?

女性に人気のある男性芸能人が結婚を発表し、ネット上にはショックを受けたファンの悲鳴が相次いで投稿されるということがしばしばあります。そして、ショックのあまり仕事を早退したいという人が大量に現れる事態となるのもよく見られる光景です。

そこで今回は、結婚に伴う問題や、早退は認められるのか?などにについて、広尾総合法律事務所の桐生貴央弁護士に聞いてみました。

結婚

●結婚のショックで早退したい女子が続出しているが、早退理由としてあり?

「有給扱いにしたらいかがでしょう。平成22年から労使協定があれば時間単位で有給の取得が可能となりましたので、時間単位で有給扱いにしてもらうと良いでしょう。時間単位での有給制度がない場合には日単位の取得となります。」

有給は法律上の要件をみたしていれば、取得理由を問わずとることができるとされています。したがって、有給をとって会社を休むならば、理由が芸能人の結婚によるショックであっても問題はないといえそうです。

では、芸能人の結婚で精神的ショックを受けた人が損害賠償請求できるのでしょうか?

「できるわけありませんね。芸能人に損害賠償請求したら笑われるだけです。」

芸能人が結婚についてファンに対する損害賠償責任を負うとしたら、人気のある芸能人は債務だらけとなってしまいます。

 

●芸能人に多い「離婚」の問題点について

芸能人は結婚だけでなく離婚したときも大きなニュースになります。大好きな芸能人でもあっても結婚した以上幸せになってほしいですが、この機会に一応離婚についても確認しておきましょう。

まずは、一般的に離婚理由として多い原因は何か聞いてみました。

「もっとも多い理由が性格の不一致です。次が相手の浮気、子供の世話をしないとなります。」

では、実際に離婚するとなって、慰謝料や養育費はどれくらいが相場なのか?

「ピンキリです。それぞれ相手方の収入によるところが大きいのではないでしょうか。」

慰謝料とは、精神的な苦痛による損害賠償です。離婚の場合は、離婚原因である有責行為(不貞、暴力など)をした者に対する損害賠償請求です。

しかし離婚原因として多い性格の不一致のような場合はどちらに責任があるかという判断がむずかしいでしょう。そうした場合、双方に同程度の責任があると判断されれば慰謝料が請求できない可能性もあります。また、養育費についても家庭の環境等によって変化すると考えられます。

これらの額は、両者の合意で決めることができるので、芸能人が離婚する際には多額の慰謝料や養育費が注目を浴びたりしています。

確かに相手方の収入がないのに多額の支払いを求めても意味がないですし、収入が多い相手からは多額の支払いを受けなければ離婚に納得できないところもあるでしょう。

好きな芸能人の結婚が発表されても、好きな人が幸せになる祝福の気持ちでいるのが一番かも知れません。

 

*取材協力弁護士 桐生貴央(広尾総合法律事務所。「人のために 正しく 仲良く 元気良く」「凍てついた心を溶かす春の太陽」宜しくお願いします。

桐生 貴央 きりゅうたかお

広尾総合法律事務所

東京都港区南麻布5丁目15番25号 広尾六幸館301(主事務所)

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