往年の大スター高倉健さんがお亡くなりになりました。
高倉健さんは、江利チエミさんとご結婚され、その後、離婚されたとのことですが、それ以降、再婚の話を聞いたこともなく、お子様がいるという話を聞いたことがありません。
高倉健さん、晩年まで映画にご出演され、沢山の財産を築かれたことかと思いますが、高倉健さんのように、奥様もいない、お子様もいない、おひとり様の方の相続というのは一体どうなるのでしょうか。
●高倉健さんの遺産はどこへ行く?
お子様がいない場合、ご両親が次の順位の相続人となりますが、高倉健さん、ご年齢が83歳ということですので、ご両親もすでに他界されております。その場合は兄弟姉妹が相続人となります。また、兄弟姉妹が他界されている場合には甥っ子、姪っ子が相続人となります。
また、高倉健さんが遺言書を作っていれば、遺言書に従って財産分けがなされます。この場合、遺留分という話を思い浮かべる方もおられると思いますが、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺留分の心配することなく財産を受け取ることができます。
●兄弟姉妹もなく、遺言書もない場合
利害関係人の請求により、相続財産管理人が選任されます。
そして、相続財産管理人が債務を支払うなどして清算を行った後、家庭裁判所の相続人を捜索するための公告で定められた期間内に相続人である権利を主張する者がなかった場合、家庭裁判所は、相当と認めるときは、被相続人と特別の縁故のあった者の請求によって、その者に、清算後残った相続財産の全部又は一部を与えることができます。
特別縁故者に対する財産分与がない場合、財産は国庫に帰属します。
以上が相続人に関する基本的な知識ですので、頭の隅にに入れておくと役に立つ日が来るかもしれませんね。
*著者:弁護士 桐生貴央(広尾総合法律事務所。「人のために 正しく 仲良く 元気良く」「凍てついた心を溶かす春の太陽」宜しくお願いします。)