Twitterで有名人になりすますと懲役も!意外と重いなりすましで問われる罪とは

最近、Twitterでビッグダディこと林下清志氏になりすましをした人が警察に通報され、アカウントの削除に追い込まれたとネット上で話題となった。

「家にサイバー警察から電話かかってきた」というツイートがされた後、アカウントも削除されたため、逮捕されたのでは?という憶測も流れたが、その後どうなったかは明らかにはなっていない。

過去にも芸能人や総理大臣など様々ななりすましアカウントが作成され、なりすましとは気づかない人達が何万人もフォローし、何万もリツイートされるなど偽物の影響力も馬鹿にならないほどになっている。

このように、有名人になりすまして情報を発信するだけで実際に逮捕されることはあり得るのだろうか。法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士に聞いてみた。

Twitter●そもそも、なりすましは犯罪なのか

「今回の件に関して、『なりすましは犯罪』や、『不正アクセスなりすまし禁止法』といった発言もされているようです。しかし、このツイートは正しくありません。」

なりすましは犯罪だと思いがちだが、なぜこれらのツイートは正しくないのだろうか。

「ツイートがなりすまされた本人の社会的評価の低下を招く内容であったり、芸能人の場合にはイメージの悪化を招くことで業務を妨害している場合には名誉毀損罪や業務妨害罪の成立があり得ます。しかし、なりすましをするだけでは、犯罪になるわけではありません。」

なりすましだけでは犯罪ではないというのは意外だが、この件については「Facebookの「なりすまし」が初めて違法と認定される」に詳しく書かれている。

 

●不正アクセスなりすまし禁止法という法律は存在する?

それでは、不正アクセスなりすまし禁止法という法律はあるのだろうか。

「そのような法律は存在しません。不正アクセス禁止法はありますが、この法律が問題となるのは、他人のパスワードなどを利用して勝手に他人のアカウントにアクセスするような場合です。通常の「なりすまし」では、このようなことが行われることはないでしょう。」

他人のアカウントの乗っ取りはアウトになるが、他人のアカウントを名乗るだけでは犯罪とならないということのようだ。

 

●どのような責任を負う可能性があるのか

「名誉毀損罪と業務妨害罪は、いずれも「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」という法定刑となっています。なお、初犯の場合であれば、いきなり起訴されるということはあまりなく、起訴猶予などになることが多いという印象です。」

損害賠償をする場合の金額はいくらくらいになるかについて以下のように語った。

「民事上の責任、つまり損害賠償責任も発生します。損害額がいくらなのかということは、ケースバイケースではありますが、慰謝料として認められる金額としては100万円程度が一つの目安ではないかと思います。」

 

●なりすましの相談は増加傾向

なりすましがここ数年話題に登るようになったが、清水弁護士の元に来るなりすましに関する相談もやはり増えているという。

「なりすましに関する相談は以前から変わらずありますが、Twitterなどが普及してから若干増えたような気がします。Twitterは誰でも簡単にアカウントが作ることができますし、アカウントの設定も自由です。特に有名人の場合には、インターネットを探せばいくらでも写真も見つかるので、なりすますことのハードルが非常に下がっていると思います。」

最後になりすましの危険性についてこう語ってくれた。

「上記のように、なりすまされた側に対する権利侵害となる可能性が十分あるものです。正直、なりすましの何が面白いのか全く分かりませんが、権利侵害があるのであれば、なりすましている人物を特定することも可能で、責任追及もできます。」

以上のように、身元を隠してなりすましを行っても、自分が特定されることもあり、名誉毀損罪や業務妨害罪に問われるとかなり重い責任を負う事になる。

軽い気持ちでなりすましアカウントを作ると想像以上に重い罪を犯すことになりかねないので、興味本位でなりすましアカウントを作ることはやめた方が良さそうだ。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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