友人にお金を貸したけどいつまでたっても返してくれない、という経験をされている方は多くいらっしゃるかと思います。
友人とはいえ、額によっては見過ごす訳にもいかず、待ってるだけでは返してくれない…。
そこで、今回は、友人にお金を貸したけれど返してくれないという場合に取るべき手順について説明したいと思います。
なお、友人にお金を貸すときに、契約書や借用書を作っている方はほとんどいないと思いますので、以下では、そのような客観的な証拠が一切存在しないことを前提にお話しします。
●口頭での催告
あえて説明するまでもないですが、まずは、口頭で、お金を返すよう要求するという方法です。
もし、お金の貸し借りの現場に居合わせた友人などがいれば、証人として話合いに立ち会ってもらうということでもいいでしょう。
●内容証明郵便による催告
口頭による催告をしてもお金を返そうとはしない場合、内容証明郵便によりお金を返すよう書面で請求する方法があります。
書面には、最低限、(1)貸した金額、(2)貸した時期、(3)返済時期を記載するようにしてください。
そのうえで、お金はいつまでに支払え、もし支払わない場合には訴訟等も辞さない旨を記載することになります。
ご自分で作成してもいいし、もし書き方が分からないという場合には弁護士に依頼して作成してもらってもいいでしょう。
●裁判手続による請求
内容証明郵便を送っても友人がお金を返そうとはしない場合、最終的には、訴訟を提起することになりますが、時間と費用をかけたくないという場合には、支払督促手続という簡易な手続を利用することをお勧めいたします。
支払督促手続は、書面審査のみなので、通常の訴訟とは異なり、裁判所に行く必要がありません。
また、通常の訴訟とは異なり、こちらから証拠を提出する必要がないので、仮に、契約書や借用書のような証拠が存在しない場合であっても、原則、こちらの言い分だけで命令を出してもらえるということになります。
さらに、申立手数料は、通常の訴訟の半額で済みます。
もっとも、相手(債務者)が異議を申し立てると通常の訴訟に移行してしまいますので、この点は注意が必要です。
訴訟に移行すると、友人がお金を借りたことを否定してきた場合には、貸金債権の存在を証明する契約書等の客観的証拠がないと、請求が認められることは難しいとうことになります。
*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)