Twitterなどで「LINEのやり取り画面」を公開している人を見たことはありませんか?
主に友人や家族との面白いやり取りなどをフォロワーに共有するために掲載しているこの行為ですが、やりとりの文面だけではなく名前も表示されていることも多く、自分の送信した文面が勝手に全世界に公開されていた…ということになりかねません。
そんな「LINEのやり取り画面を勝手に公開」する行為ですが法律上問題はないのでしょうか?
■プライバシー侵害の可能性が高い
個人の私生活上の事実または事実らしく受け取られる可能性があることがらは、一般的にプライバシーの保障の範囲に含まれます。LINEのやりとりについては、どのような人たちと交流を持っているのかという点、いつどのようなやり取りをしていたのかという点などにおいて、その人の私生活の一部を構成するものといえます。
そして、LINEのやりとりは、Twitterなどとは異なり、もともと公開されることが前提となっているものではありません。
そのため、「LINEのやり取り画面を勝手に公開」することは、公開されてしまった人のプライバシーを侵害することになります。
■プライバシー侵害の効果は侵害賠償と差止請求
プライバシー侵害があるということは、それに伴って法的効果が発生することになります。具体的には、公開された人から公開した人に対して、損害賠償と差止め(削除)を請求することができます。
ただ、損害賠償額がいくらになるのかは、公開された内容にもよると思いますが、他愛もないようなやり取りが比較的多いと思われることから、それほど高くならないことも多いのではないかと思われます。
とはいっても、やりとりの内容自体が自分にとって不都合なものであることも十分あり得るわけで、その場合には友人関係にもヒビが入ってしまうかもしれません。
そのため、どうしても公開したいのであれば、相手の許可を取るべきです。
*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)