ストリートライブって違法なの?弁護士が解説

ストリートライブは、街頭の日常を豊かに彩るものとして道行く人を楽しませてくれることもあります。しかし、楽しく演奏を聞いていても、突然警察の方がやってきてライブを中止させている様子を目にすることもあります。

はたしてストリートライブは違法なのでしょうか?改めて確認しておくとともに、いわゆる表現の自由との兼ね合いはどうなっているのかについても検討してみたいと思います。

 

ライブ
■許可のないストリートライブは違法

巷の噂では、ストリートライブは道路交通法に抵触するので、許可なくやるのは違法である等と言われていますが、詳細に説明すると以下の通りになります。

まず、道路の使用について定めた道路交通法は、77条1項4号で「道路において祭礼行事をし、又はロケーションをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者」は、警察署長の許可を得なければならないと規定し、119条1項の12の4号で、これに違反した場合には「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と規定しています。

そして、上記の道路交通法をふまえて、各都道府県ごとに公安委員会が定めた道路交通法規則があります。例えば、東京都であれば、東京都道路交通規則があり、同規則の18条が道路交通法第77条1項第4号の規定による「警察署長の許可を受けなければならない行為は、次に掲げるとおりとする。」と定め、同条6号が「演説、演芸、奏楽、放送、映写その他の方法により、道路に人寄せをすること。」と明確に規定しています。

以上から、無許可で道路を占有してストリートライブをやることは認められず、無許可でやっていると近隣住民や近隣店舗、歩行者らに通報され、警察がやってきて撤収を勧告されるわけですね。ただ、実際には、無許可でやっていても直ちに懲役や罰金が課されているわけではなく、警察の指導(撤収命令)に従わない場合や何度も無許可演奏を繰り返している場合に限って罰則が適用される運用になっているようです。

 

■表現の自由はどうなる?

上記のような道路交通法の定めに対しては、「ストリートミュージシャンの表現の自由(憲法21条)を侵害するもので憲法に反して無効ではないか?」という意見が聞こえてきそうですが、この点については、集団行進が問題になった事案で最高裁が「表現の自由に対する公共の福祉による必要かつ合理的な制限として憲法上是認されるべき」と述べ、合憲であることを明確にしています(最高裁昭和57年11月16日第三小法廷判決)。

いくら表現の自由があると言っても、他者の権利・利益との関係では制約されても仕方がなく、許可制は合理的な制限であるというわけです。
■ストリートライブの騒音は?

最後に、ストリートライブによる騒音問題について簡単に触れておきます。上記の道路交通法の問題は国との間の問題ですが、その他、近隣住民や近隣店舗といった私人との間の問題があります。

すなわち、ストリートライブが大音量で実施された結果、近隣住民や近隣店舗が損害(精神的損害も含む)を被ったとして損害賠償請求をした場合には、裁判でその騒音が社会通念上受忍限度を超えていると認定されると、不法行為(民法709条)にあたるとして損害賠償を命じられる可能性があります。

なお、やや細かい話になりますが、都道府県によっては、拡声器暴騒音規制条例を定めているところがあり、ストリートライブ実施にあたって拡声機を用いて客寄せをしたりすると、同条例違反となる場合があることにも注意が必要です。

 

*著者:弁護士 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)

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川浪 芳聖 かわなみよしのり

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