自転車はどこを通行して良いの?複雑なルールを弁護士が解説

平成25年12月1日に改正道路交通法が施行され、自転車の走行できる路側帯が左側のみに限定されました。先日、周知期間が過ぎたとして、自転車が右側の路側帯を走っていると検挙するとの報道もあったようです。自転車に関する規定を整理してみましょう。

自転車

 

■自転車の通行に関する規定

自転車は、道路交通法上「軽車両」に区分されますが、軽車両としての規定のほか、自転車特有の規定もあり、おそらく、どこを通行して良いか最もわかりにくい車両だと思います。自転車の通行に関する道路交通法の規定をざっと見てみましょう。

 

原則は、車道の左端を走ることとなっています。

ただし、車道に自転車道が設けられている場合には自転車道を通行しなければなりません。

路側帯がある場合には(軽車両は)左側の路側帯を通行することができます。

もっとも、運転者が高齢者、児童または幼児の場合には、歩道を通行することができます。

また、歩道が自転車通行可とされている場合には、高齢者等でなくても歩道を通行することができます。

 

多くの方は何だか良くわからないと感じられるのではないでしょうか(なお、上の全ての規定に、「~の場合を除き」といった例外がありますので、これでも正確な情報ではありません)。誤解を恐れず簡単に言うと、13歳以上70歳未満の方が自転車に乗るときは、原則として、歩道を除いた道路の左端を走行しましょう、ということになります。

 

■平成25年12月施行の改正内容

平成25年12月1日の改正以前の道路交通法17条の2は、軽車両は路側帯を通行することができるとしているのみでしたので、左右どちらの路側帯でも通行可能でした。改正により、ここに、「左側に設けられた」(路側帯)という言葉が追加されました(誤解されている方もいらっしゃるように思いますが、「歩道」に関しては右の歩道を走っていようと左の歩道を走っていようと、特別に通行が認められている人・場所でなければ道路交通法違反になります)。

また、同時に、自転車に適切なブレーキがついていない恐れがあるときには、警察官が自転車を停車させ検査し、応急措置や運転継続の禁止を命令できるようにするための改正も行われました。

 

■罰則の対象

自転車も基本的には車と同じですので、通行してはいけないところを通行したり、信号無視などすれば罰則が適用されます。

また、左側の路側帯を走っていても、通行方法に関し、「軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。」との規定があり、これに違反した場合には、2万円以下の罰金又は科料が課せられることになっています。

軽車両や自転車に特有の通行方法に関し、他にも以下のような場合に罰則があります。

・軽車両同士を並進させたとき

・自転車道があるのに自転車道を通行しないとき

・(適法に歩道を通行できる場合でも)歩道内での徐行義務や一時停止義務に違反したとき

・警察官から自転車横断道等を通行するよう指示され、従わないとき

・適切なブレーキを備えていない自転車を運転したとき

・適切なブレーキを備えているか確認のための停止命令や応急措置や運転継続を禁止する警察官の命令に従わなかったとき(平成25年12月1日より)

 

■まとめ

違反で取り締まりを受けたときに法律を知らなかったでは済まないので、自転車も原則として車と同じという意識を持って交通規則を守って走っていただきたいと思います。

*編集部より:当初公開記事に事実と異なった表現がありました。誤解を招いてしまい申し訳ありません。本ページは2014年4月23日17:30に更新しています。

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