LINE公式装うメールで出会い系へ「誘導」どんな罪?

ウィルス対策ソフトの提供等をしているトレンドマイクロ社のセキュリティブログによると、今年に入り、「LINE」から公式に送信されたものであることを装うスパムメールが継続的に確認されているそうです。

現在確認されているスパムメールは、件名に「LINE」という文字列が含まれ、本文にはLINE上で受信者に対して友達申請がなされている旨の記載の後、「内容はコチラからご確認いただけます」との表記と共にURLが記載されているようです。そして、このURLをクリックすると、出会い系Webサイトに誘導されるようになっているとのことです。

LINE詐欺

今回は、このようなメールの送信が法律上どのような罪になるのかについて、検討してみたいと思います。

このようなメールは一般に「スパムメール」というと思います。一口にスパムメールと言っても色々なものがあると思いますが、本件のように、出会い系Webサイトへ誘導しようとするメールの送信は、『特定電子メールの送信の適正化等に関する法律』(特定電子メール法)が問題になってきます。

■特定電子メールとは?

この法律で規制される「特定電子メール」とは、「自己または他人の営業につき広告または宣伝を行う手段として送信するメール」とされ、以下のようなものは禁止されます。

・メール受け取りの承諾や要請をしていない人に対して特定電子メールを送ること(3条)
・架空の電子メールアドレス宛に特定電子メールを送信すること(6条)

・特定電子メールを送信する際、送信元メールアドレスや、IPアドレス、ドメイン名などの送信元を識別するための文字等を偽ること(5条)

LINE公式を装うメールは、出会い系Webサイトへ誘導するメールであり、「自己または他人の営業につき広告または宣伝を行う手段として送信するメール」といえます。

そして、受信者はメール送信に承諾していないため、3条の規制に抵触します。

また、メールには「LINE.com」や「Lineid.com」、「Line.ne.jp」のように、「LINE」であることを匂わすドメイン名が使用されているようなので、送信元を識別するための文字等を偽っているものとして、5条違反になり得ます。

さらに、おそらくは、手当たり次第に送信されていると思われるところ、送信先の中には架空のアドレスが含まれている可能性も高いので、6条違反になり得ます。

これらに違反すると、最終的には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

■法律はあっても…

しかし、法律はあっても送信元を見つけ出すことを我々ができるわけではありません。LINEでの友達追加という行為自体には慣れ親しんでいる人も多いと思われ、あまり警戒心なくURLをクリックしてしまう人もいるかもしれませんが、怪しいメールが届いた場合は開封することなく削除するべきです。

特に、出会い系サイトに誘導されるだけならまだよいですが、クレジットカード情報や口座情報を盗み取るためのフィッシングサイトへ誘導するものなど、より攻撃性の高いものに変化する可能性も否定できませんし、そもそもメールを開いただけでウィルス感染するように仕組まれているメールも出てくるかもしれません。

怪しげなドメイン、タイトルのメールには警戒し過ぎても損はなく、知らない人からのメールであれば開封しないなどの自分なりのルールを作り、自衛するようにしましょう。

清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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