電子書籍コピーし放題?今こそ知りたい著作権の法知識

電子書籍のコピー防止機能を回避するプログラムを作製したなどとして、横浜市のソフト開発会社社長とその社員が、著作権法違反(技術的保護手段を回避するプログラムの製造)と特定商取引法違反(誇大広告)の容疑で19日に逮捕されたと報じられています。

電子書籍などのコピー防止機能を回避するプログラムを譲渡目的で製造することを禁じた2012年の改正著作権法が適用されるのは全国で初めてのことだということです。

日ごとに進化を遂げる情報技術に対してそれを追いかける法規制も変化しています。デジタル分野での著作権について何をしたら違法になってしまうのかの一例を、今回の事件を参考にして説明します。

電子書籍

今回適用されたのは、著作権法120条の2第1項と思われます。

この条文は、「技術的保護手段の回避を行うことをその機能とする装置…若しくは技術的保護手段の回避を行うことをその機能とするプログラムの複製物を…製造…する行為をした者」について、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処すると定めています。

■技術的保護手段の回避とは?

技術的保護手段というのは、同法2条1項20号に定義されているのですが、ごく簡単にいうとコピープロテクト機能のことです。そして、この「回避」というのは、「技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変」(同法30条1項2号)とされています。

問題とされたプログラムはネットで販売されていたようなので、探して説明文を読んでみたところ、電子書籍をスクリーンショットにとって保存しておくというもののようです。単にスクリーンショットをとるだけということであれば、「技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変」がないため、この罪に当たることはありません。

しかし、電子書籍においてスクリーンショットの機能がオフになるようにされているにもかかわらず、その機能をオフにすることができるプログラムとなっている場合、「技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変」をするプログラムといえることになります。

逮捕容疑となったプログラムがどのような機能を持っているものかは、報道だけからは分かりませんが、おそらくこのような機能があったのではないかと思われます。

■スクリーンショットを公開はNG?

スクリーンショットは、パソコンであればPrtScrキーを用いれば実行することができます(なお、アクティブなデスクトップのみをスクリーンショットにとるには、Alt+PrtScrで可能です)。

一部電子書籍のサイトで私も試してみましたが、何の対応もされていないところもあれば、スクリーンショットをとろうとするとブラウザが強制終了されるところや、キーが無効化されているところもあるようです。

私的な利用のためにスクリーンショットをとることは違法ではありませんが、これをすれば事業者側には多大な損害となりかねないですし、それをさらに公開・頒布するようなことは著作権法に抵触することになるので、安易にスクリーンショットをとることはしないように注意するべきでしょう。

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清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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