イオン執行役「インサイダー取引」そもそもどんな罪?

今や多くの地域で見ることのできる大手スーパー・イオンの執行役が証券取引等監視委員会からインサイダー取引の疑いで調査を受けたそうです。

その執行役は不公正取引の事実を認め、辞任の申し出をしたとのことです。

時々ニュースに上ってくるこの「インサイダー取引」という言葉、なんとなく分かったつもりで済ませている方も多いと思います。今回は、インサイダー取引の意味、どんな罪にあたるか、なぜ罪として制定されているのか、など分かりやすく解説していきたいと思います。

インサイダー取引

■インサイダー取引とは

インサイダー取引は、上場会社の役員や従業員(会社関係者)などが、会社の重要な内部情報を知って、情報が公表される前にその会社の株式などを売買することを言います。内部者取引と言われることもあります。

■インサイダー取引をするとどうなる

インサイダー取引は金融商品取引法で禁止されており、違反した者は「課徴金」を納付するよう命じられます。重要事実が公開された後に最安値で売った、または最高値で買った場合と比べて儲けた部分を、すべて課徴金として納付することになります。

また、これとは別に、インサイダー取引をすると罪に問われ、5年以下の懲役と500万円以下の罰金のどちらか又は両方が課されます。更に、その犯罪行為で得た財産は没収されることとなっています。 ただし、没収と課徴金を調整する規定があり、没収された額は課徴金の額から減らされます。

■インサイダー取引が禁止される人

このようなインサイダー取引規制は、会社の情報を直接知った人だけではなく、情報を教えてもらった人も対象となります。

証券取引等監視委員会が発表している「勧告の状況」によると、最近の実績では会社関係者よりも情報を教えてもらった人の方が違反に問われた件数が多くなっています。

■なぜ厳しい制裁を与えるのでしょうか

インサイダー取引で儲けることがなぜ悪いのでしょうか。

ある人が、近々株価が大きく上がることを知りつつ、それを黙ったまま知人に株式の売買を持ちかけ、その株式を買った場合を想像してください。

知人はその事実を知っていればその価格で売ることは無かったでしょう。つまり、知人は欺されて安い価格で株式を譲渡させられたことになります。 上場株式の場合には、一般に相手が誰であるか意識することなく売買をしますが、相手を意識していないだけで、知人から買った(売った)場合と、本質的には変わりません。不正をした者が儲けた分、損失を被った者が確実にいるのです。

このような不正が横行すれば、投資家は安心して取引に参加することができないため、不正行為を厳しく取り締まる必要があるのです。

■誰がどうやって不正を見つけているのでしょうか

証券取引等監視委員会は、市場を監視して、インサイダー取引規制違反が疑われる取引があったときは、調査を行います。 調査のきっかけは、取引所や証券会社からの報告(疑わしい取引を報告する義務があります)、一般人からの通報など様々で、調査が始まると、監視委員会は、調査対象者の親族関係や取引状況などを徹底的に調べ、重要事実を知った経路などについて解明します。

そして調査の結果インサイダー取引規制違反が判明したときは、証券取引等監視委員会は、課徴金に関する勧告や、検察官への告発を行います。

■まとめ

インサイダー取引が違法だということは広く知られているにもかかわらず、インサイダー取引は後を絶ちません。今回の記事では法的な制裁内容を中心に解説しましたが、インサイダー取引をすると、懲戒解雇などで職や社会的地位を失うことにもつながります。

これぐらいならバレないだろうと軽い気持ちでインサイダー取引に手を出すと、割に合わない大変な制裁を受けることになりますので、注意しましょう。

*参考:イオン、ドラッグ事業担当執行役をインサイダー取引で職務停止 | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

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