【忘年会あるある】会社が出し物で「恋ダンス」を強要…これってパワハラに?

12月も後半に入り、忘年会シーズンも佳境に入っているのではないでしょうか。会社の忘年会で出し物が恒例行事になっているところも多いのではないでしょうか。今年は恋ダンスやPPAPなどが流行ったため、出し物の候補としてはこれらが定番と言えるかもしれません。

ただ、これら出し物を楽しんでやれる人であればいいのですが、人によってはそのような出し物を会社から強要されていると感じる人もいるかもしれません。このような場合、本人の意図に反して出し物を強要することは「ハラスメント」に該当するのでしょうか?

Q.「忘年会の出し物」ってやらなきゃいけないの?

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A.忘年会が業務でないので、あればそもそも参加する義務すらありません。

まず、大前提として忘年会が「業務」なのかどうかによって結論は大きく異なります。多くの会社では忘年会は終業後にイベント的に行っているでしょうから、ここでは「業務外」に忘年会が行われているもの(無給)と仮定して解説します。

業務外ということはつまり、従業員から見れば忘年会はプライベートの時間に開催されることになります。

そもそも法律上、会社と従業員は「雇用契約関係」にあり、従業員は決まった時間に労働を提供すること、会社はこれに対して給与を払うという関係になります。そのため、忘年会が就業時間外に行われるのであればそれは「契約外」の話になるため、出し物をやるやらない以前に忘年会に参加するかどうかは完全に本人の自由であるということになります。

そこに対して会社が忘年会への参加や出し物の強要をするのは、「ハラスメント」つまり「不法行為」になる可能性が高いといえるでしょう。

もっとも、以上は法律論に過ぎませんので、筆者の個人的な意見としては日本の企業文化を考えると、通過儀礼の1つとして忘年会への参加や一発芸の披露はむしろ積極的に行うべきだと考えますが…あくまで法律上は従う必要がない(「業務」になるのなら話は別ですが)ということは押さえておいてもいいでしょう。

 

 

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

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*Kazuhiro Konta / PIXTA(ピクスタ)

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