「白タク」はなぜ法律で禁止されてきたのか? 解禁のメリットとデメリットとは

普通の自家用車をタクシーとすること、通称「白タク」は、現在、原則として法律で禁止されています。

なぜ、「白タク」と呼ばれているかというと、タクシー事業の許可を受けた場合、緑地に白のナンバーを付けて運送することになります。街でよく見かけるナンバーですよね。

ただ、許可を受けない場合、このナンバーが与えられませんので、通常通り白地のナンバーを付けてタクシー営業をすることになります。白いナンバーでタクシーを行うことになるので、「白タク」というわけです。

ワタコ / PIXTA(ピクスタ)タクシー

白タクが違法である法令上の根拠は、「道路運送法」という法律にあります。この法律において、いわゆるタクシー事業は「一般乗用旅客自動車運送事業」とされており、国土交通大臣の許可なくタクシー事業を行うと、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」という罰則が科せられます。

その「白タク」を安倍首相は解禁にするという意向を表明したことがニュースになっています。

安倍首相の真意はニュース記事のみでは定かではありませんが、「過疎地などでの観光客の交通手段に、自家用車の活用を拡大する」という趣旨とのことです。

確かに、制度や規制には良い面と悪い面が混在しますので、締め付ければいいというものでも無ければ緩めればいいというものでもありません。タクシーの問題についても、それぞれのメリット・デメリットを検討する必要があると思います。

 

 

●規制してきたことのメリットとデメリット

まず、タクシー事業に関する規制の良い面といえば、許可制を取ることにより、運転手に高い技能が求められることや、事業者に縛りがかかることや過当競争が抑制されることで一定のサービスレベルが確保されることなどが考えられます。翻せば、こういったことが現在まで白タクを違法としていた理由ということになります。

一方で、規制をなくすことの良い面といえば、安倍首相の意向にもあるように、タクシー事業が行き届いていない地域でもサービスが供給される、また、従前よりも安価にサービスが提供されることになる可能性が高い、といったことが考えられます。

結果として何が正しいと思うかは人それぞれだと思います。

安倍首相がしようとしていることを否定するつもりはありませんが、これまでタクシー事業が受けてきた規制は少なからず良い面があると思いますので、そういった良い面を守りつつ、さらに違った良い面が強調されるような制度を構築していただければと思います。

【関連記事】タクシーが道に迷ったり遠回りしても全額払わないとダメ?

*著者:弁護士 河野晃 (水田法律相談所。兵庫県姫路市にて活動しております。弁護士生活5年目を迎えた若手(のつもり)弁護士です。弁護士というと敷居が高いと思われがちな職種ですが、お気軽にご相談していただけるような存在になりたいと思っています)

河野先生
河野 晃 こうのあきら

水田法律事務所

兵庫県姫路市本町68-170大手前第一ビル3階

コメント

コメント