取り返せると思ったのに!婚約破棄したときの婚約指輪の行方

Aさんの友人Bさん(20代・男性)は、ある女性と婚約していましたが、さまざまな理由で「婚約破棄」を決意したそうです。

いくら理由を聞いても口を割らないため、わからないのですが、Bさんは大金を叩いて購入し、女性に渡した「結婚指輪」を返してほしいと考えていますが、相手は返す素振りも見せないそう。

Aさんに「どうすればいいのか」相談があったとのことです。「そんなん知らん!」と言いたいところですが、長年の付き合いもあり、何とかしてあげたいそう。返してもらうことはできるのでしょうか?

秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に見解を伺いました!

婚約指輪を取り返すことはできる?

近藤弁護士:「婚約指輪を返してほしいと請求しても、返してくれない場合は、裁判での返還請求を検討することになります。もし、所有権がTさんにあるなら、返還請求が認められますが、所有権がなければ認められません。それでは、所有権は誰にあるのでしょうか。

法律的に考えると、婚約指輪を渡す行為は、贈与に該当します。贈与するということは、簡単に言えば、あげてしまうことなので、所有権は彼女のものになると考えられます。

ただし、Tさんと彼女との間に「いったん渡しても入籍しない場合には返却する」という趣旨の合意があったと判断されるような場合は、入籍しない場合は所有権がTさんに戻ると考えられる余地もあります。

また、婚約指輪は入籍を前提とするものだから入籍しない場合は返還すべき、という考えが社会通念上当たり前といえるような場合は、2人の間に返還の合意があったと認定されることがあるかもしれません。」

 

費用を別途請求できるケースも

近藤弁護士:「微妙な判断になりますが、今の日本において、そこまでの社会通念があるとまではいえないのではないでしょうか。したがって、何も言わず婚約指輪を渡した場合に、そのような合意があったと判断される可能性は小さいのではないかと思います。

以上より、彼女が自由意思で返してくれる場合はともかく、そうでない場合に取り返すのは難しいのではないでしょうか。したがって、彼女が指輪を質に入れたりして売ってしまったとしても、自分の財産を処分したにすぎないと考えられるため、罪にはならないでしょう。

なお、彼女が不合理な理由で婚約破棄をしたような場合には、婚約破棄に対する慰謝料を別途請求できる余地があります。その場合は、婚約指輪の購入費用も損害と認められる可能性があります。」

 

遠慮せず行動を

婚約破棄というケース自体がそう多くはないと思いますが、仮にそうなった場合、指輪を購入した側が「返してほしい」と考えるのは当然のこと。しかし、実際に返還される可能性は、残念ながら低いようです。

ただ、不合理な婚約破棄の場合は、購入費用を損害として別途請求できる余地はあるとのこと。男性の場合、「男らしくない」という目を向けられてしまうかもしれませんが、理不尽な措置を受けた場合は、弁護士に相談の上、しかるべき措置を取りましょう!

 

*取材協力弁護士:  近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

近藤 美香 こんどう みか

秋葉原よすが法律事務所

東京都台東区浅草橋5-2-3鈴和ビル4-A

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