強制わいせつ罪とは?強姦罪や公然わいせつ罪と何が違う?

The concept of trafficking women.

わいせつな行為とは?

まず、わいせつ行為について法律上の定義はありません。しかし、判例では「徒に性的興奮や刺激をあおり、性的羞恥心を害するものであって、善良な性的道義観念に反する行為」と示されています。具体的には、体を触る・キスをする・衣服を脱がせる・卑猥な動画や写真を見せる・性器を見せつける、などはわいせつ行為となる可能性がありますね。

なお、性交や性交に近い行為はわいせつの解釈には当てはまりますが、このような行為を暴行・脅迫を用いて行った場合は、強制わいせつ罪ではなく、『強制性交罪』が成立します。

 

性的な行為に関する犯罪

強制わいせつ罪をはじめ、性的な行為について成立する犯罪はさまざまです。どんな違いが…? と思う方もいるかもしれませんが、明確な違いがあるのです。

 

強制わいせつ

暴行を加えたり脅迫したりして、相手が抵抗できない状況に追い込み、わいせつな行為におよぶと強制わいせつ罪が成立します。無理やり抱きついたり、キスをしたりした場合がこれに該当し得るといえます。なお、強制わいせつ罪は相手が抵抗できないようにした上で行うものですので、被害者の同意がある場合には成立しません。しかし、相手が13歳未満の場合は合意の元であったとしても、強制わいせつ罪が成立します。

【刑罰:6ヶ月以上10年未満の懲役刑】

痴漢行為は、通常は迷惑防止条例違反として処罰されますが、下着の中まで手を入れて触るような悪質な痴漢行為については、強制わいせつ罪として立件される可能性があります。

 

公然わいせつ

不特定多数の人の目がある公共の場でわいせつな行為(例えばわいせつなものを露出する行為)におよべば公然わいせつ罪が成立します。例えば、屋外で性器を見せつけたり、人目に触れるところで性行為をしたりすると、公然わいせつ罪にあたります。体に触れることがなくても、わいせつ罪となるのです。

【刑罰:6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金】

 

強制性交等罪(前 強姦罪)

暴行を加えたり脅迫したりして、相手が抵抗できない状況に追い込み、性行為等(性器を相手の性器・肛門・口腔に挿入する行為)におよぶと強制性交等罪が成立します。以前は『強姦罪』として規定されていましたが、法改正により『強制性交等罪』という名称に変更され、被害者は女性だけではなく、男性も対象となり、性行為の概念も拡張されました。

なお、強制性交等罪も被害者の同意がある場合には犯罪として成立しませんが、やはり13歳未満が相手である場合、合意の上でも強制性交等罪が成立します。

【5年以上20年以下の懲役刑】

公然わいせつ罪は、行為内容の悪質性が高くないため、比較的罪が軽いものですが、強制わいせつ罪や強制性交等罪は内容が悪質で、かつ被害も深刻であることから、懲役刑のみと重い罪が予定されています。

関連記事:「男性も被害対象に!「強姦罪」はどのように改正される?」→https://lmedia.jp/2017/03/28/77708/

 

強姦罪が、女性のみ、しかも、性器への挿入のみが罪の対象だったことには驚きですよね。法改正で男性が男性に対して肛門に性器を挿入するケースや、女性が無理やり男性の陰茎を膣内に挿入するケースもこの罪の対象となりました。今後も、時代に合わせて柔軟に改正されてほしいものです。

*監修弁護士/梅澤 康二プラム綜合法律事務所。労務全般の対応、M&A取引(対象会社に対するデューディリジェンス)、各種契約書の作成・レビュー、取締役会議事録の整備、その他企業法務全般のご相談一般民事・交通事件・債務整理・相続問題に係る法律相談、刑事事件に係る法律相談を中心に取り扱う。)

*執筆/シェア法編集部 (編集者兼ライター。シェア法を盛り上げようと日々奮闘中。)

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