夫が他の女性とデートを繰り返す…離婚はできる?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

自分の配偶者が自分以外の異性と仲良くしていることが発覚した場合、ショックに感じる方も多いのではないでしょうか。

中には「離婚をしたい」と感じる方もいらっしゃるかと思います。肉体関係を持っていることが明確であれば離婚できることはご存知かと思いますが、果して単に仲良くしており不貞行為を行っていない場合はどうなのでしょうか。

 

■そもそも離婚ができる場合

まず前提知識として、離婚する方法としては、(1)相手方と離婚に合意するか、(2)裁判所に離婚を認めてもらうかの2つしかありません。

お互いが話し合った結果合意するのであれば、協議離婚(あるいは調停離婚)が成立することになります。この場合には、どんな理由であろうと離婚は成立します。

しかし、相手方が合意しない場合には、そのままでは協議離婚(あるいは調停離婚)は成立しません。この場合には、裁判所に離婚訴訟を提起して、裁判離婚を認めてもらうしかありません。

裁判離婚を認めてもらうためには、民法の定める「離婚原因」というものが必要となります。民法は5つの離婚原因を挙げていますが、特にしばしば問題とされるのは「配偶者に不貞な行為があったとき」(※1)、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(※2)の2つです。このような離婚原因があると裁判所に判断してもらえれば、裁判離婚が認められることになります。

 

■裁判で争う場合にはどうなる?

それでは、あなたが離婚訴訟を提起したところ、相手方が「確かに食事や遊びには行っていたが、神に誓って肉体関係はなかった。絶対離婚したくない」といった主張をしているという場合は、どうなるのでしょうか?

 

・肉体関係を伺わせる物的証拠がある場合

裁判所は、お互いの言い分を聞いた上で、肉体関係の有無が争いになっている場合には、「証拠調べ」を行います。

証拠には書類、写真、録音、証言などさまざまなものがありえますが、当事者から提出された証拠を裁判所がそれぞれ調べた上で争えない事実を確定していき、最終的に肉体関係の有無を判断することになります。

相手方が肉体関係をいくら否定していても、例えば相手方が他の異性とラブホテルに入ったところの写真と、数時間以上して一緒に出てくるところの写真があるという場合を考えると、「相手方が他の異性と一緒にラブホテルに入り数時間経って出てきた=ラブホテルに数時間滞在していた」というのは争えない事実だということになります。

ラブホテルは通常性行為をするための場所ですから、「ラブホテルには入ったが、カラオケをしただけ」というように相手方が弁解しても、肉体関係が認められる可能性は高いでしょう。

そうすると、「不貞な行為があったとき」という離婚原因がある=裁判離婚が認められる可能性が大きいということになります。

 

・肉体関係を伺わせる物的証拠がない場合は?

他方、このような証拠は何もないという場合、当事者尋問や証人尋問で、当事者や他の第三者から事情を法廷で聞くという手続きを取ることになります。

もし仮に「相手方が他の異性とラブホテルに入るのを見た」「数時間して出てくるところも見た」という証人の証言があり、そしてそれが信用できるものだと判断されれば、「相手方が他の異性とラブホテルに入って、数時間過ごしていた」というのが事実だと認定され、結果として肉体関係が認められる可能性もあるでしょう。

とはいえ、そのような証言が得られ、かつそれが信用できると判断される可能性は一般論としてそれほど高くないと思われますので、その場合には肉体関係が認められる可能性は低いと思われます。

そして肉体関係が認められないとなると、「不貞な行為があったとき」という離婚原因はない、ということになります。

したがって、食事や遊びだけだったというだけでは、離婚は認められない可能性が大きいといえるでしょう。

もっとも、この場合でも、相手方とその異性とが常識外れに親密・濃密な交際を続けてきているということについて立証できるのであれば、その他夫婦関係の実情など諸般の事情も考慮して、「婚姻関係を継続し難い重大な事由」があると判断される=裁判離婚が認められるという可能性はありえるでしょう。

 

離婚訴訟では証拠の有無が極めて重要になりますので、話し合いでの離婚がまとまらない可能性があるのなら、証拠を集めるための努力を惜しまないことです。

 

※1:民法770条1項1号 ※2:民法770条1項5号

*著者:弁護士 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)

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近藤 美香 こんどう みか 弁護士

秋葉原よすが法律事務所

東京都台東区浅草橋5-2-3鈴和ビル4-A

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