暴力団対策法(暴対法)はどのような内容になっているのか

●暴力団対策法の立法目的

いわゆる暴力団対策法(暴対法)の正式名称は「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」と言います。平成3年5月に制定され、翌年3月1日に施行されました。

この法律が制定された背景には、暴力団の組織力、資金力が巨大化してきたことがあります。

大きな暴力団が小さな暴力団を系列化して益々大きくなり、暴力団員は、そのような暴力団の威力を巧妙に利用し、暴行や脅迫等の犯罪に至らない手段で資金活動を行い、一般経済社会に悪影響を及ぼすようになって問題となっていたのです。

このように威力を用いた暴力団組員による行為に対しては、既存の刑罰法令によっては必ずしも有効に取り締まることができなかったため、暴力団の資金源に打撃を与えることにより公正で自由な経済取引を守るべく暴対法が制定されました。

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●暴力団対策法の基本的な仕組み

暴対法は、基本的には、特定の要件に該当するものとして公安委員会に指定された「指定暴力団」に所属する構成員(これを「指定暴力団員」と言います。)に対し、暴力的要求行為を禁止し、違反者に対し、中止命令又は再発防止命令を発し、その命令に従わない場合に刑事罰を科します。

ここでいう暴力的要求行為は、例えば、「用心棒料を要求する行為」、「不当な方法で債権を取り立てる行為」、「不当な地上げをする行為」など、現在では27種類の行為が定められています。

なお、指定暴力団員以外の者が指定暴力団の威力を示して行う不当な要求行為についても、平成9年の改正法から「準暴力的要求行為」として規制の対象とされるようになりました。

 

●最近の変容

以上のとおり、もっぱら民事介入事案の規制が中心であったはずの暴力団対策法ですが、市民が暴力団関係者に襲われたり、暴力団同士の抗争に巻き込まれる事件が相次いだことを背景として、平成24年の改正で、「特定抗争指定暴力団」や「特定危険指定暴力団」という新たな指定類型が設けられました。

この新たな指定類型は、いずれの場合も「警戒区域」を定めて指定するものとされていて、警戒区域内における所属暴力団事務所への立入りや、事務所そのものの使用が刑罰をもって規制されており、非常に厳しい内容になっています。

ここ最近では、日本でもっとも大きな暴力団組織の分裂が話題にのぼっています。市民の安全が確保されるよう祈るばかりです。

 

*著者:弁護士 田沢 剛(新横浜アーバン・クリエイト法律事務所。8年間の裁判官勤務を経たのち、弁護士へ転身。「司法のチカラを皆様のチカラに」をモットーに、身近に感じてもらえる事務所を目指している。)

田沢 剛 たざわたけし 弁護士

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

横浜市港北区新横浜3-19-11-803号(加瀬ビル88)

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