群馬に住む「ロヒンギャ族」が求める「難民認定」とは何か?

ミャンマーに住んでいる「ロヒンギャ族」と呼ばれる人々のうち、200人が群馬県館林市に住んでいると報じられました。

ミャンマーに住んでいたころに、迫害されたため、日本にきたということです。しかし、日本で難民認定がされずに、ミャンマーにいた頃と変わっていないと語っています。

それでは、ロヒンギャ族が求める難民認定とはどのようなもので、認定されるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

民族

●難民とは?

我が国が1981年に加入した難民条約においては、難民とは「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないか、又はそれを望まないもの」と定義され、締約国は、その保護を義務付けられます。

 

●難民認定制度が設けられた理由

難民条約とは、「難民の地位に関する条約」と「難民の地位に関する議定書」を合わせたものですが、このような条約が定められたのは、第一次世界大戦や第二次世界大戦の経験が、国際的に人権意識を高めることとなり、1948年に国連総会決議で「世界人権宣言」が採択されたことが背景にあります。

これらの大戦で大量に発生した難民の問題を、国際的な協調と団結のもとで解決することが重要であると認識されたからです。

 

●日本における難民認定の基準

我が国では、難民条約に加入した翌年に出入国管理及び難民認定法を定めて難民認定に関する制度を整備してきました。

難民である外国人が難民認定申請を行い、法務大臣から難民認定がなされると、原則として、条約締約国の国民あるいは一般外国人と同じように待遇されることになり、日本においては、国民年金、児童扶養手当、福祉手当などの受給資格が得られます。

特に、日本に在留する外国人が永住許可を受けるためには、永住を認めることが我が国の利益に適合することを前提に、(1)素行が善良であること、(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有することの2つの要件を満たさなければならないとされていますが、難民認定を受けた外国人の場合は、(2)の要件を満たさない場合でも、法務大臣の裁量で永住許可を受けることができます。

 

●日本の難民認定は厳しい?

我が国における難民認定申請者数は、増加の一途を辿っており、平成25年が3,260人であったのに対し、平成26年は5,000人に達しました。

これに対し、実際に難民認定された人は、平成25年が6人で平成26年が11人と極めて少ない状況であるため、我が国の難民認定は他国に比べて厳し過ぎるのではないか、なるべく難民認定をしないようにする排外主義政策を採っているのではないかといった疑問の声もあるところです。

我が国が国際社会を牽引するリーダーの一員たろうとするのであれば、難民として保護を受けられて然るべき外国人に対し、強制収容したり強制送還したりすることは、世界人権宣言に背いて,とんでもない人権侵害を引き起こしているということにほかなりませんから、やはりあってはならない事態といえるでしょう。

 

*著者:弁護士 田沢 剛(新横浜アーバン・クリエイト法律事務所。8年間の裁判官勤務を経たのち、弁護士へ転身。「司法のチカラを皆様のチカラに」をモットーに、身近に感じてもらえる事務所を目指している。)

田沢 剛 たざわたけし

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