花見の場所取りにも賃金を!? パワハラ防止の心得とは

春一番はとうに吹き、桜の花も満開が近づいています。

日本人なら誰もが幸せを感じる花見のシーズンはもうすぐそこと言えるわけですが、今も日本社会に遺る伝統儀式「場所取り」も同時にやってくることになります。

場所取りは旧来から新入社員の役割として語られることが多いですが、日本型労働環境の昨今の変化と照らしあわせてみると時代遅れのように感じてしまう方もいらっしゃることと思います。

例年通り場所取りを命じたら新入社員が「パワハラだ!」と騒いでしまったり、あるいは思い悩んで会社に来なくなってしまったり、会社としての機能に支障をきたしてしまうかもしれません。

美しい自然の恵みをみんなで健全に楽しむために、使用者や上司はどのような点に気をつけるべきでしょうか。パワハラを防止するための心得を、考えてみましょう。

桜満開

花見の場所取りをした時間が、労働基準法(以下「労基法」といいます。)が規制する労働時間にあたるかどうかが問題となります。

ここで、労基法上の労働時間とは、客観的に見て、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。そして、企業外で行われる研修・行事への参加については、参加が事実上強制されており会社業務としての性格が強ければ、当該研修・行事に参加した時間は労働時間にあたります。

従って、花見についても、花見への参加が事実上強制されており会社業務としての性格が強ければ、当該花見に参加した時間は労働時間にあたります。そして、このような花見の場所取りをする時間についても、労働時間と認められることが多いでしょう。

なお、花見の場所取りに労働時間性が認められる場合には、当然ながら、その時間に応じて賃金を支払う必要があります。

花見は、桜を肴に会社の仲間意識を高めるのが本来目的であるはずです。

使用者や上司は居丈高な態度で場所取りを命じるのではなく、また新入社員も、社会人としての心得として嫌なことにははっきり意志を伝えられるようにして、協力して健全な会社組織を形成していきたいものですね。

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