嘘の理由で会社を休んだ場合法的に問題になる?

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会社員の皆さんのなかには、朝起きて気分が乗らなかったり、仕事がうまく行かず悩んでいたりで、「行きたくないなあ」と出勤前に感じたことがある人は、多いことでしょう。

もちろん、ほとんどの人が嫌々ながらも出勤していることと思いますが、嘘をついて休んだことがある人も、いるはずです。中には「家族が亡くなった」と嘘をつく人もいるそうです。

このような行為は、法的に問題になるのでしょうか? 法律事務所あすかの冨本和男弁護士にお伺いしました。

嘘をついて有休を取得したことについての問題点は?

「嘘をついて年次有給休暇(有休)をとることによって、職場内の秩序を乱したことが問題となります。有休は労働者に有給で与えられる休暇です。

有休は労働基準法によって認められた労働者の権利であり、いつ行使するか、何のために使うかは自由です。しかし、労働者の有給の行使が事業の正常な運営を妨げる場合、使用者は、他の時季に変更することが可能です。

嘘による有休の取得は、使用者が適正に時季変更権を行使するのを妨げますし、まかり通るようであれば職場の秩序が乱れるのは明らかです」(冨本弁護士)

 

減給処分の妥当性は?

「使用者は、職場の秩序を維持するために、職場の秩序を乱した者に対して懲戒処分を下すことができます。

ただし、使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と懲戒の事由を定めておく必要があります。

嘘をついて有給をとったことが、就業規則に定められた懲戒事由に該当し、懲戒処分として減給を定めているのであれば、減給することはできると考えられます。

もっとも、減給にも限界があります。1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならないし、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないとなっています(労働基準法91条)」(冨本弁護士)

 

クビにすることはできる?

「クビにすることはできないと考えられます。使用者による懲戒権の行使も、対象となる労働者の行為の性質・態様その他の事情に照らして、それが客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、権利の濫用として無効となります。要するに、不相当に厳しい懲戒は無効ということです。

嘘をついて有給をとったことは、確かにけしからんと言えますが、そのことだけで解雇にするのは厳しすぎるわけです」(冨本弁護士)

 

虚偽の理由による休暇は、会社の秩序を乱す行為であり、就業規則に則って処分することは可能であるよう。ただし懲戒解雇については、認められない可能性が高いそうです。

 

*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

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