就業時間中に抜け出して通院したい…法的な問題はある?

花粉症が蔓延する3月末。目のかゆみやクシャミなど、悩んでいる人にとっては地獄の日々かもしれません。もう少々の辛抱ですから、病院から処方された薬で乗り切りたいところです。

しかし、土日休みの社会人にとっては、通院も一苦労。多忙のため、病院の診療時間に仕事が終わらないという人も多いはず。そんなときは、就業時間にちょっと抜け出して病院に行ってしまいたいもの。

花粉症にかぎらず、風邪や身体の痛みなど体調不良ならば、就業時間中に通院することはやむを得ないことでしょう。しかし、なかには、会社が認めないところもあるようで、責任者が叱責してくることもあるとか。

一体、「就業時間中の通院」は違法なのでしょうか?

 

Q.就業時間中に通院することは違法ですか?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

A.責任者が許可をすれば許される会社もあります。

就業規則がどのようになっているのかによりますが、定めがない場合、就業時間中は職務に専念する義務があるわけですから、私的な用事で勝手に職場を離れることは許されないという考えが一般的です。

ただし、「通院」が私的な用事であるか否かは意見の分かれるところで、「絶対に不可」というところもあれば、責任者の許可をとることで、通院が許されている会社もあります。

また、緊急性の高い症状のみと就業規則に定められている場合もあるようです。

このように会社の業務内容やカルチャーによって対応が異なる事案で、法律というよりは、企業が社員をどのように考えているのかが問われる問題といえます。

従業員としては体調不良の場合には病院に行かせて欲しいところですが、それをサボりの口実に使われることもあります。仮に許可を出す場合は、責任者が病院に行くことを提案してきた人間の状態を見抜く力が必要になりそうですね。

 

*記事監修弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

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*Ushico / PIXTA(ピクスタ)

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