意外と知らない「有給休暇」 1時間単位で申請することはできる?

旅行に関するオンライン予約サイトを運営しているエクスペディアが2016年に行った有給休暇国際比較調査によると、日本の有給消化率は50%で、調査対象となった28カ国中で3年ぶりに最下位に転じたということです。

ただ、この調査によれば「休み不足を感じている人の割合」も日本人は最下位(34%)ということで、そもそも日本人は世界で一番休むのが下手な人種と言えるのかもしれません……。

とは言え、休み不足を感じている方にとっては、何とかして少しでも休みを取得したいものですよね。そこで、もし丸一日の休暇は難しいとしても、有給休暇を時間単位で取得することは法的に可能なのでしょうか?

 

Q.有給って時間単位で取得可能なものなの?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

A.会社によります。法律上は労使間が合意すれば最短1時間単位で有給休暇は取得できるものとされています。

 

法律上の大原則として、有給休暇が使えるのは「1日単位」と決められています。

ただし、労使間で合意(正確には「労使協定」というものを締結します)すれば、本来は1日単位で利用すべき有給休暇を半日単位や最短1時間単位で取得することが出来ます(時間単位の有給休暇取得は最大で年間5日分まで)。

「じゃあ来週から1時間単位で有給取ってみよう!」と思われた方はちょっと待ってください。

この制度はあくまでもその会社で「労使協定」が締結されていることが前提になるため、会社が時間単位の有給休暇取得を認めていない場合は取得することが出来ません。

(給与の計算が煩雑になるので、筆者の経験則としては時間単位での有給休暇取得を認めている会社はあまり多くなく、一番多いケースは「半休」なら取得できるというものだと思います)

 

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

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*cba / PIXTA(ピクスタ)

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